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SAO─戦士達の物語
GGO編
八十七話 Link start to G
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返した涼人の言葉に和人はコクリと頷いた。それを見てから、涼人は言う。

「偶然、ってのが一番確率的に高いだろ。ゲーム内で死んだら何の仕掛けもなく死にました。なんざ、量子物理学でも大脳生理学でも、つか科学ですらねえ。オカルトだぜ?」
「そう、だよな……」
言うと、和人はコンパネに向かって俯く。

「なんか心配事でもあんのか?」
「いや……」
と、エレベーターの扉が開いた。歩きながらも、和人は話す。


「兄貴さ、アインクラッドの意味って……知ってるか?」
和人の言葉に、涼人は首を傾げた。

「意味……?あぁ、あれか?茅場のおっさんが何かの雑誌で言ってた……あー、An Incarnating Radius《アン・インカーネイティング・ラディウス》、だっけか?確か意味は……」

《具現化する世界》

それが、彼らが二年の時を過ごした浮遊城の名に込められた意味だった。
茅場は、同じ雑誌で、こう語っていた。「そこでプレイヤーの皆さんは、数々の夢が現実となるのを見るでしょう。剣、怪物、迷宮、そのようなゲーム的記号の具現化に留まらず、プレイヤー自身をも変容させていくだけの力が、あの世界には存在します」と……

「確かに茅場の言うとおり、俺達《プレイヤー》はあの世界に居て……変わった。俺もアスナも……多分みんなだ。もし、もしも茅場の言ってた事をそれ以上に捉えるとするなら……有るんじゃないかと思えるんだ。プレイヤーどころか、世界すら変えて、俺達の知らない何かで……」
「VR世界から……人を殺す方法?」
繋ぐように問うた涼人の問いに、和人は小さく首を振る。

「ん〜……不安を拭う材料になるかは知らねえけど……可能性だけの話をするなら、んなもんよりもっと可能性高い説有るぜ?」
「え……なにそ「おっ!来たね桐ヶ谷兄弟!」うわっ!?」
突然和人の言葉を遮った声は、快活な女性のそれだった。涼人達の居る第三入院病棟はこの病院内では比較的人が少ない場所だが、それでも流石にその声量はどうなんだと言いたくなる声で、正面の部屋から一人の女性が顔を出していた。引っ込んだその女性に口をポカンと開けている和人を引きずって、部屋に入る。

「ちゃーっす」
「おっす!お久しぶり桐ヶ谷君達!」
「ども。安岐さんお久しぶりっす」
「お、お久しぶりです」
ニコニコと元気印なスマイルで二人を迎えたのは、長身ナース服の女性。胸についているネームプレートには、安岐(あき)という名字が書かれている。涼人と和人がこの病院に入院していた頃、リハビリの担当教官……もとい、担当看護士だった女性だ。
ちなみに、このスーパースマイル。リハビリ患者に対しては必要に応じて際限なく怖くなれるので注意が必要である。
と、そ
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