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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第九十話 本人の知らぬ間に厄介事は忍び寄る
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かれることがわかっていたのだろう。
 士郎達が口にしたコーヒーを片付けながら迷うことなく答えを返す。

「そうか、管理局に正式に入ってくれるとありがたい人材なんだがな」
「それは同感ですが、彼が難色を示しているなら難しいでしょう。
 子供ながら明確な信念を心に秘めているタイプです。
 金銭や待遇で引き込めるとは思えません」

 エステートの淡々とした言葉に

「だよね……」

 がっくりと肩を落とす。

「彼自身よりも外堀を埋めたほうが良いのでは?」
「……それは脅迫や人質的なではないよね?」
「当然です。
 そんなことをすれば彼は即座に敵になります。
 彼の目の前で口にした時点で頭と胴体が別れることを覚悟したほうが良いでしょう」

 クラウンから聞いていた魔術と士郎の揺らがない瞳を見て、やる時は躊躇わないことを感覚的にエステートは感じていた。

 そういった勘はクラウンも自分より当てになる事をわかっているので特に何も言わない。

「ではどういう外堀かな?」
「家族や恋人が管理局の正規局員になればという意味です」

 なるほどと納得し、過去に開かれた士郎に対する会議の資料を開く。

「最後の生き残りで家族はなし。
 同居しているプレシア研究員を除くと家族となるのは元闇の書の管制人格リインフォースぐらいか」
「今の家族に限らなくても良いと思いますが?」

 エステートの言葉がわからず内心で首を傾げるクラウン。

「現在、九歳なので結婚はできませんが、婚約は出来ます」
「ああ、そういうことか。
 そういえば彼の誕生日ケーキずいぶんと気に入っていたな」
「年も近いので本人の意思ですが、よろしいのでは?」
「ああ、彼ならどこぞの馬鹿息子共よりよっぽど安心できる」

 士郎にとっては、当の本人達がいない間でこんな話が進んでいるなど、予想にもしていないだろう。

 そしてこれがまた一波乱起こすのだが、それはまた別のお話。
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