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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百一幕 「緊急事態だよ?全員集合!」
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不意に、黒に染まっていた意識が浮上する。
ゆっくりと、目が見開かれた。眼下に広がるは際限のない海。それを空中から見下ろす視点。
右手を見やる。ISを展開した無骨なマニュピレータが映った。白式だ。

「目が覚めましたか、一夏さん?」
「……その声はセシリアか?」
「大寝坊だ馬鹿者め……」
「箒……あれ、俺は何をしてたんだっけ……?」

どうやら箒によって抱えられたまま移動しているらしい。ISのエネルギー残量がイエローゾーンに達していることと装甲ダメージがホロモニタに表示されていることから、戦闘を行ったらしいことが伺えた。ではいったい誰と戦闘をしたのか――おぼろげな記憶が、意識を失う前の行動を必死で探す。
そう、たしか海に来たのだ。臨海学校で海に来て――佐藤さんが以外に女の子っぽくて、佐藤さんがISを……

「佐藤さんが……そう、佐藤さんがハイパーモードになって金ぴかに……あれ?」
「もうちょっとしっかり思い出せ!!お前が気を失ったのはもっと後だ!」
「ご、ごめん!ええっと……」

次第に一夏の頭の(もや)が晴れていく。記憶が少しずつ鮮明に思い出されてきた。
金色のまま空を舞いあがって感動してる佐藤さん。
レールガンを連射するスミス&ウェッソン佐藤さん。
束に弄られて人工知能にフォローされる佐藤さん。
思わぬ極悪武装に悲鳴を上げる佐藤さん。
あと箒がIS貰って差をつけられたから悔しかった。

「……で、よかったっけ?」
「全然思い出せていませんわね。しかも大半が佐藤さんの事ですわ。一時的な記憶障害かもしれません」
「よし、意識も戻っているし今度こそ海に落とすか。その煩悩に塗れた頭を海水で洗い流してこい」
「なにゆえッ!?」

抱きかかえる体勢から投げる体勢へごく自然にモーションが変化していく様に抵抗を試みる一夏だったが、箒の方が僅かに早い。体にばねを利かせたその一投が無慈悲にも振り下ろされる。

「沈めばわかる!……そぉいッ!!」
「お、おい馬鹿やめ……ろぉぉぉぉぉおおお!?」

紅椿に全力投擲された一夏は水面をきりもみしながら何度も何度もバウンドし、どっぽーん!!と大きな音を立てて海に沈んだ。投擲直後の箒は文字通り荷が下りた気分でスッキリ顔だった。


しばらくお待ちください……


「顔を洗ったら目が覚めたか、一夏?」
「潮の所為でべたべたになって気持ち悪い」
「ちょっと、余り近付かないでくださいまし。ティアーズに汚れが移りますわ」
「何で俺の扱いこんなにひどいの!?いや、確かにヘマはしたけどさ!!」

漸く全てを思い出した一夏は2人から軽度のいじめ受けつつ、自力飛行しながらため息をついた。
自分は戦闘の最中、保護したはずのシルバリオ・ゴスペルの暴走に巻き込まれ
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