暁 〜小説投稿サイト〜
乱世の確率事象改変
大剣持ちし片腕が二人
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。静かな天幕には応える声も無し。
 後に引けない状況では、勝利せずして道は開けない……と、誰もが思う。
 一人思考に潜る郭図の頭には、幾多の勝利図が浮かんでいた。

「勝っても俺が死んだら意味がねぇ……が、とにかく今は目の前の戦だ。状況が揃っても情報が入らねぇと手の打ちようが――――」

 ぶつぶつと一人で組み上げていく。
 いつもの笑みは零されない。それほど、この戦はその男にとっても苦しいモノだった。






















 回顧録 〜ユメノハザマニ〜


 笑い合ったのはいつの事だったか。

 夕暮れか、暁か、橙色に染まる空は美しく、いつまでも見ていたいと思ってしまうほど。

 それが一番印象に残っている光景。

 高笑いが妙に似合っている華麗で優雅な彼女も

 自身なさげで呆れながらも助力してくれる彼女も

 バカばかりだけど側に居る皆を大事にしてくれる彼女も

 みんな、みんな大切な宝物だった。

 大切な『  』はいなくとも、幸せに生きて行こうと美しい橙の空に誓った。

 次の日も、そのまた次の日も、ずっとずっと幸せな日々が続いていく




 そう、信じていたのに



 世界は……残酷だった。





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