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滅ぼせし“振動”の力を持って
彼と幼馴染と許嫁
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ダマはそこから何かを見ているらしかった。
 
 カグヅチの言葉を聞いたからか否か、コダマは困惑した声で呟いた。



「感じぬのだ・・・昨日感じた猛りも、血のざわめきも・・・」
「何? 本当かお嬢?」
「うむ・・・あの胸元の紋、見間違う筈など無いのだが・・・」



 首を傾げるコダマ。

 だが、それもそのはず―――――




 今保健室で測定している為短パン以外は着ていない彼の胸には・・・・・紋など何処にも無かったからだ。
 コダマが悩んでいるとはつゆ知らず、身長や体重などどの学校でも行う測定を終えて、海童は最後にちょっと変わった測定を行なっていた。



「じゃあ、次のコはこの機械の穴に腕を突っ込んでね」
「はい」



 保険医らしい黒髪挑発の美女は、ついつい胸元などに目が行ってしまう程スタイルも抜群であった。・・・が、それよりも海童には気になる事があるらしく、目の前の機械をじっと見ている。



「あら? どうしたのかしら?」
「いや、これで何を測っているのかと・・・」



 海童の質問を聞いた保険医の女性教師は、その箱を撫でながら質問に答えた。



「これはね? 貴方達の『マケン』の適性を測っているの。どんな子の質にも合うレプリカは用意しているから安心してね? それで・・・これはそのマケン達との相性を測る、いわば魔検ってとこかしら」
「・・・なるほど」
「でも、おかしいわね・・・普通なら長くても数十秒なのに、幾らなんでも時間がかかりすぎ―――」



 不審そうな顔をして機械・・・魔検を覗き込んだ途端、魔検が大きな音を立て始めた。




『判別・・・不能・・・』

「え?」
「は?」



『判別不能!判別不能! コイツに会うマケンなんて存在しねえよチクショーッ!!』


「は、はぁっ・・・!?」
「如何言う事なの・・・!? こんな事学園始まって以来始めてよ・・・!?」



 何が起きているか分からないまま、海童は腕を引く事もせずただ突っ立っているままなのだった。


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