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日向の兎
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ことになるが構わないか?」
「ネジが?いいけど、なんで?」
「あれの監視抜きでうろつくのは控えなければならんのでな。別にあれを置いていってもいいのだが、そうなるとあれの責任問題やら色々厄介な事があるのだ」
「ああ……お嬢様って大変なんだね」
そういう訳ではないんだが……確かに世間一般で言えば、私はお嬢様と呼ばれるような生活を送っているのだろう。日々さしたる不自由もなく、衣食住も安定している私は随分と恵まれていると言えるな。
それに最近では外に出歩く時はネジの付き添いが必要になった事を考えると、確かにお嬢様と見られても致し方ないか。
「お嬢様、というよりは危険物扱いなんだが……確かに腫れ物を触るような扱いという意味では同意か」
「腫れ物扱いって一体あなた家ではどういう扱いなの!?」




「という訳で、ネジ、茶屋に寄ることになった」
「……はぁ、構いませんが珍しいですね」
「私とて礼を返すくらいの常識は弁えているのだぞ?」
「いや、そうじゃなくて、ヒジリ様がヒナタ様とハナビ様以外の女性と会話する事があるということ自体、俺は初耳なんですが?」
「君の中で私はどんな扱いなんだ?」
「……あえて言わせますか?この俺の口から直に?」
「……やめておこう。心にいらん傷を負いそうだ」
「ええ、それが得策ですよ」
少々知らずともよい事を知った気はするが、とりあえず許可は得られた。いや、得られずとも行くのだからあってないような許可なのだがな。
「で、テンテン、店は何処がいいのだ?美味いゴマ団子の置いてある店など私は知らないので、君の行きたいところを言ってくれ」
「え、あ……うん、じゃあついて来て」
「む?どうしたのだ?少々様子がおかしいようだが、体調でも悪いのか?」
「いや、ヒジリの印象がどんどん変わっていく驚いてたの。ヒジリってもっと物静かで真面目っていう勝手なイメージがあったからさ」
「となると、今の私の印象はどうなっているのだ?」
「え、他人とのコミュニケーションが雑な妹大好きのしっかり者に見えるけど色々残念なお姉さんって感じかな?」
…………すまない、ここまで面と向かってズバリと言われたことが無かったので一瞬思考を放棄してしまった。
「そんなに酷いのか私は?」
「俺からは羞恥心もないという事を付け加えさせてもらいます」
「ネジ、君は家の中で姉の裸を見た程度で騒ぎすぎだ」
「……ネジ、あなたヒジリの裸を見たんだ」
「ご、誤解だ!!」
「いや、面と向かって会話しただろうに。服を着ろだどーのと散々喚いていただろう、誤解も何も正解ではないか?」
「ヒジリ様は黙ってて下さい!!いいかテンテン、あれは事故であって俺はむしろ被害者なんだ」
「などと容疑者は供述しており……」
「ヒジリ様!!」
「そう
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