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黒子のバスケ-黒子と黒子-
1.誠凛高校バスケ部
   
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黒子は、着替えはせずに荷物だけ置き、入り口から顔を出してみる。
バッシュのキュッキュッという音や、ボールが弾む音が体育館いっぱいに響いている。
そして、カントクの指示の元、今はシュート練をしているようだ。
黒子はあたりをキョロキョロと見渡すと、なにやら資料を見ているカントクこと相田 リコを見つけ、近くまで行く。
「…あの、カントク」
「うわぁ!?…って黒子君か…。体は大丈夫なの?」
相変わらずの影の薄さで、カントクの驚いた声が、体育館に響き渡った。
どうやら、火神が黒子のことは伝えておいたらしい。
「…はい。少しはマシになったほうですが…今日やることは避けたいです。…なので、見学だけしてていいですか」
「えぇ、もちろん構わないけど、無理はしないで頂戴ね。…一時的かもだけど、体力が結構落ちてるみたいだから」
カントクはじっと黒子の身体を見つめると、視線を顔に戻した。
カントクの数値で見える目はやはり凄いと、黒子は思った。
と、同時に黒子は考えた。
”体力が落ちている”?
これが何を意味するのか黒子には分からなかったが、声と関係があることは少し考えていた。
じっと考え込み突っ立っていると、走ってくる音が徐々に近づいてきているのに気付き、顔を上げる。
そこには赤髪で心配そうな顔をしている光…火神が立っていた。
「火神君」
「黒子。…ダイジョブ…なんだよな?」
じっと黒子のことを見つめて離さない目は本気のようだ。
黒子は見つめ返した後、コクリと頷き、大丈夫です、と返す。
その言葉を聞くと安心したのか、ほっと息を吐き、練習に戻っていった。
その火神と同時にこちらに向かってきたのは、キャプテンの日向 順平だった。
「キャプテン。すみません」
黒子は頭を下げて謝る。
「んなこと気にすんなって。」
日向は小さく微笑み、微妙にかがんで、黒子の耳に口を近づける。
それに気づいた黒子も、耳を近づけた。
「火神、黒子のことが心配だったのか、まだ一本もシュート入ってねぇんだ」
「…火神君心配性ですか…」
影(相棒)のことが心配すぎで、シュートもろくに入らない光(相棒)に思わずそうぽつりと呟く。
だが、心配することも分かっていた。
練習試合は明日もあるのだ。影の役割を果たす黒子がいなければ、負けるかもしれないという、一応強い学校だ。
それだけの心配じゃないと思うが、思わず、バスケ馬鹿だと言いたくなるような心配の仕方だなと思う
「バスケバカですね。本当」
黒子は口に出して言ったが。
日向はいつも通り、毒舌(?)な黒子の言葉を聞いて安心したのか、「できるなら少し打ってけよ」と言い残し、練習に戻っていった。
そんな火神と日向の姿を追っていた黒子だが、急にさっきの言葉を思い出す。

??火神君も本当は心配してないかも
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