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『第四十三話』〜次元世界探求記〜
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の世界への移住も来てすぐ魔獣達に襲われてしまうため断念されたらしいな」

[へぇ……本当にお前は無駄な事を多く知ってるのな]


 無駄な事ってなんだ無駄な事って。知っていてそんなことは無いぞ。


「知らなかったら今頃俺らは魔獣とじゃれあってるぞ? 普段は魔力温存のために徒歩だからな」


 ハーミットに住む魔獣の八〜九割は飛行能力を持たなく、飛行能力を持つ魔獣は十種類もいないらしい。
 そのためこの世界の移動手段は飛行にした方が魔獣に襲われにくいのだ。


[魔力集束使えばいいだろ?]

「あれは多用すると精神的に疲れるんだよ」

[SSSを軽く超える集束魔力球を一度に三十作ることのできるヤツが言うことか………?]

「そこは気にするな。それに疲れるものは疲れるんだよ」


 魔力集束はヘキサ式魔導師、中でも後衛側が重宝していた特殊技能だ。
 集めた魔力はどのような魔法にも転用可能、魔力操作・転換ができるなら自身の魔力としてチャージもできる。魔導師にとってこれ程素晴らしい技術は無いと言えるだろう。
 唯一欠点があるとすれば、魔力を集めるために意識を集中することからくる精神的疲労だろう。


「長時間使用するのは疲れるし、維持するにも精神がガリガリ削られるんだよ」

[以前、それを二週間維持してたよな? それもSSSランクを十個]

「………それにしても、反応が全くないな」

[おい、スルーか? スルーなのか?]


 そんなことはどうでもいいだろ? 今はアレ(・・)を一刻も早く見つけ出すのが先決だ。


[……本当に反応が全くない…この世界もハズレかもな。別のとこ行くか?]

「いや、もう少し探そう。もしかしたら探知されないために探知無効化結界を張ってるかもしれないからな」

[分かった。『サーチングサイト・スクエア』も世界の六割は見たからそんなに時間をかけないで済むだろ]

「飛ばしていくぞ。少なくとも完全に有無をハッキリさせないといけないしな」

[了解]


 そう言って俺は飛行速度を速め、そこから姿を消した。










[拓斗……これは………]

「なんとも…分かりやすいというか、ありきたりというか……」


 先程から数十分後。俺の目の前には洞窟だと思われる大きな穴があり、その穴の上には





――『ダンジョン入口』――





 と書かれた看板があった。


[こんなにわかりやすいのは初めてだな………]

「あぁ。でも、こんなに分かりやすいものなのか? 何らかのトラップの可能性が高いような……」

[ほら、あれじゃないか? この世界って数年に数える程しか
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