夫になった訳だが……どうしよう?
54話
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ボルグ・カムランの群れに挑みかかった二人は意外にもジルを前衛、レオが後衛となって戦っている。俺としてはハンニバルの体を活かしてレオが前衛、ジルがウォーターカッターかと思ったんだがな。
「あーそれはね、レオって射撃の方が上手いんだよ。精神世界で見てたから分かるんだけど、多分あの子アラガミとしての才能があるんだよ」
アラガミとしての才能?
「うん、あの子にとって幸か不幸かは分からないけど、オラクル細胞の制御能力がずば抜けてるの。見てて、あの子の火を」
イザナミに言われレオの吐き出す炎を見ると、彼は吐き出した炎は真っ青であり糸のように細かった。そして、その放った炎の悉くがボルグ・カムランの関節部分を焼き切り、崩れ落ちたボルグ・カムランからジルによって突き殺されていく。
……あそこまで青い炎って、結構な温度管理がいると思うんだが?俺のようにただただ圧縮することで温度を上げるのではなく、分量の比率などを細かく調整しなければならないんだがな。
やれ、と言われれば……できないこともないが、実戦で使えと言われると無理だ。そもそも戦っている間にそんな細かな事を考えている余裕はないし、そこまで落ち着いて調整などしていられない。
大体、そこまで細かにオラクル細胞の制御などやっていられない。
「うん、私も無理だよ。だからあの子は天才だって言ったんだよ、そもそもあれを精神世界で初めて戦った時から出来たんだから、ほんと妙な話だよね。アラガミよりもアラガミに向いている人間なんてさ」
なんでだろうな、どうしてこう俺の周りには俺の努力を鼻で笑うようの才能の持ち主がいるんだ?
「いや……マキナも大概だとは思うけど、ユウ君やレオを見るとそう思うのも無理もないね」
まぁ、幸運にもその手の輩が敵に回ってないって事は喜ぶべきだな。それに別段強い弱いに興味がある訳ではないので、そこまで気にするような事ではない。俺は単純に降りかかってくる火の粉を払える程度に力があればいいので、これ以上の力は必要ないだろう。
「だね、それ以上の力なんて余分なもの以外の何物でもないよ」
そういう意味ではジルは丁度いいんだろうな。
並のゴッドイーターより強いが人外ではないレベルの強さ、それにアラガミ化が進んでいるとはいえ片腕だけだ。ゴッドイーターとしてなら普通に暮らせない訳ではないだろう。人よりは若干困難だろうが、人並みの幸せは得られる。
しかし、レオは違う。体は完全にアラガミ、それに加えてのあの力は彼の人生にとっての枷でしかないだろう。
「親としてなんとかしてあげたいね……」
「だな」
「終わったよ、お父さん、お母さん」
「体は以前より随分と軽く感じますね……オラクル細胞の影響ですか?」
「頑張ったね、レオ、ジル」
「そうだな、あの時はお前はただの
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