第四話 三人目の人はその十二
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「まだまだよくわからないので」
「それでは」
「じゃあ今日はですね」
「はい」
畑中さんはまた僕に答えてくれた。
「美沙様の初登校の日です」
「転校してからのね」
その美沙さんが明るく言ってくれた。
「そうなります」
「そうですよね」
「それでは」
そう聞いてだ、畑中さんはこう言って来たのだった。
「お車はそろそろ」
「そろそろ?」
「大きいものを用意しますか」
こう言うのだった。
「バスでも」
「あの、バスですか」
「はい」
バスと聞いて驚く僕にだ、畑中さんはいつもの落ち着いた口調で答えてくれた。
「そうです」
「バスって」
「人が多くなればそれも当然かと」
「二十四人だからですか」
「義和様を入れて入五人ですね」
「あっ、僕もですか」
「勿論です」
僕が入っていることは当然だというのだ。
「ですから二十五人です」
「そうですか、じゃあ」
「バスが必要ですね」
「普通登校にバスは」
「いえ、普通です」
「それは小学校ですよね」
「大きな車と思えばです」
それでだというのだ。
「普通です」
「そうなります?」
「そうです、尚運転手の方は大型免許も持っていますので」
バスを運転出来るそれもというのだ。
「ご心配なく」
「あっ、大型のですか」
「左様です」
「それはいいですね」
話を聞いてそう思った、何しろバスを運転出来ればそれだけで八条バスからすぐに声がかかるからだ。八条バスも人手不足なのだ。
「大型免許までって」
「実は私も持っていますが」
「じゃあ畑中さんも」
「いざという時はお任せ下さい」
運転手さんがお休みの時等はというのだ。
「私がいますので」
「別にそこまでは」
「左様ですか」
「というか畑中さんバスも運転出来るんですね」
「戦車を操縦したこともあります」
何か話が凄くなって来た、ミリタリーな方向にまでいった。
「そちらも」
「戦車もなんですか」
「九〇式を」
「あの一両十億する戦車ですね」
ロールスロイスより高い、とりあえずそんな戦車壊れたら泣きそうになると思う、何でそこまで高いのかと軍事専門家でない僕は首を傾げさせる。
「あれをですか」
「中々面白い戦車でした」
「そうですか」
「ただ、あまりにも重く」
「何十トンですよね」
「五十五トンです」
鉄の塊だけはある、車なんて比べものにならない。
「それだけあります」
「滅茶苦茶な重さですね」
「ですから車道を歩けないのです」
「あっ、そうなんですか」
「若し我が国の戦車が車道を歩けば」
その時はというのだ、よく左の人達が言う様な事態になれば。
「車道は滅茶苦茶になってしまいます」
「戦車の重さで道が壊れて」
「はい、そ
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