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Shangri-La...
第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十五日:『死体蘇生者』
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んな助言めいた事を口にして。己の決定は、覆さないと暗に示して。
 照れ隠しなのか、巫山戯て、どこぞの戦闘狂みたいな事を口にしながら扉を開く────

「「「あ……」」」
「…………」

 扉の外で聞き耳を立てていた、連れの三人の上目遣いと見詰め合ったのだった。

「……えーと、何を?」
「いえ、あの、暇だったからつい……えへへ」
「いえ、あの、暇でしたのでつい……おほほ」
「いや、あの、対馬さんが真面目な事言っててあはは」
「御坂だけ違ってるよね、笑うとこが!」

 一気に、扉を閉める。その向こうでは、まだ喧しく喧騒が繰り広げられているのだろうが。
 それらを全て、遠く聞きながら。蘇峰古都は、枕元の手紙……彼の『祖母』の手紙、未だ開ける勇気を持ち得なかったものを取り出して。

「……そうか、そうですね、主将。あんな、馬鹿な事をしたんだ……今更」

 それの、封を切る。手紙、便箋に(したた)められた言葉、受け止めるべく。
 祖母が、ただ一人の肉親が。一体、どんな思いで彼に接していたのかを。

「そうですね……主将。その、通りだ」

 諦めた? 否────吹っ切って。几帳面に畳まれた便箋、開いて…………全て、生まれて始めて、受け止めて────…………


………………
…………
……


 見ていた。芳醇なる、その『少女』を。こんな事が出来るのも、この『職業』故の特権だ。こんなにも、間近で。

「───────────?」
「───────────」

 少女──艶やかな黒髪の彼女が、何かを囀ずる。正直、内容は覚えていない。年若く、可憐なその容姿。見れば見るほど、惚れ惚れするほどに。
 欲しい。欲しい、彼女が。きっと、最高の一つになる。我が、コレクションの中でも。これだけ、美しいモノはそうはない。

「───────────」
「───────────」

 刹那、邪魔が入る。忌々しい、いつもいつも。こいつが居なければ、もっと捗るのに。
 背後から語り掛けてきた存在に、(おくび)にも出さない内心で舌打ちながら。

 焦る事はないと、心を落ち着けて。この身、この魂に刻まれた魔術(オカルト)』を起動する。
 忌まわしくも崇高なる、“ブリチェスターの邪教集団の黙示録”を。その、悪夢の力を……少女に。

 『佐天涙子』へと、向けて─────…………

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