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アラガミになった訳だが……どうしよう
夫になった訳だが……どうしよう?
50話
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「で、これってどうにか出来るのか?」
俺は気を失った少女と、恐らく彼女の言っていた弟であろうハンニバルを指差してイザナミに聞く。
「うーん……女の子の方は元に、とはいかないけど侵食をこれ以上進まないようにして、半分人間半分アラガミみたいになって生きてもらうっていうのは可能だね。ただこっちの男の子の方はねぇー」
イザナミは少し悩んだ様子でハンニバルを見る。確か見た目からしてこちらは少々手遅れではないかと思わずにはいられないが、この少女をカリギュラから守っていたのだから意識はまだあるんじゃないのか?
「それはそうなんだろうけどさ、さっきのも意識が消える寸前に考えた事が残ってて、アラガミに完全に乗っ取られる間だけ条件反射的に守ってたってのもあるかも知れないんだよ。
もし万事上手くいったとしてもこの子は人の姿には戻れないね。体はハンニバルで心は人間っていう状態が限界だよ」
ん?ちょっと待ってくれ、同じような状態だったリンドウは腕こそアラガミだが完全にハンニバルとなっていた状態でも戻れていなかったか?
「マキナは忘れてると思うけどあれはシオの与えた力があったからだよ」
シオの与えた力?
「力っていうか擬似的なコア、オラクル細胞の制御装置って言い換えてもいいかな?リンドウのあれは、シオが月に行った影響でコアが制御装置の役割を果たせなくなってもアラガミを喰らい続けた結果、オラクル細胞の制御が追いつかずに暴走してハンニバルになったの。
で、原作でユウ君がやったのはその暴走したオラクル細胞を一時的に沈静化、その間にリンドウの神機が制御権を取り戻してそれをリンドウが使うっていう具合だね。
実際に細かく調べた訳じゃないけど、おおよそはこんな感じでリンドウは助かったんだと思うよ。
けど、この子達はその制御装置に該当する物が無い。出来るのは暴走を抑え込んでの現状維持ってところが私達のできる限度だね」
なるほどね……まぁとりあえずやるだけやって無理だったら死んでもらうとするか。
「雑だね〜」
そりゃ言ってしまえば赤の他人だからな。助けられれば儲け物とでもいったと程度でしかないし、なんでこんな所でアラガミ化しているのかって気になっただで助けただけだ。
「それもそっか……じゃあマキナは女の子の方を頼むよ。男の子はマキナだとちょっと難しいだろうし、割とアラガミとしての細かい作業があるから私がやるね」
イザナミはそう言ってハンニバルの全身を黒い腕で拘束し、ハンニバルのコアを探そうとペタペタと触れている。
さて、俺は俺で仕事をするかね。少女のアラガミの腕を右腕で掴み、少女のオラクル細胞の性質に右腕の細胞を近づける。




流石にイザナミの時のように簡単にはいけないが、少しずつ意識を少女の意識に侵入させた。徐々に視界がぼやけ
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