54章 歳をとることの楽しみ、きっとある!
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る、41歳の沢秀人は、
2012年には、テレビドラマの音楽の制作で、レコード大賞の作品賞を
受賞するなどの活躍をしている。
沢は、1013年の春までは、このライブ・レストラン・ビートの
オーナー(経営者)でもあった。
「詩織ちゃんと美樹ちゃんのコラボ(共作)で、きょうの敬老の日に
相応しい歌を作ったんでしょう。楽しみだな!」
生ビールをおいしそうに飲んで上機嫌の川口信也は、
テーブルの向かいに座っているグレイス・ガールズのメンバー全員の中ほどの、
真向いにいる大沢詩織と清原美樹に話しかけた。
「うん。しん(信)ちゃんも、びっくりの名曲の完成よ。きょう、初公開させていただきます!」
清原美樹が信也にそういうと、「それは、楽しみですね!」と信也の隣の、
クラッシュ・ビートのベースギター担当の、高田翔太がいって、微笑んだ。
「ありがとうございます、翔太さん。翔太さん、そのお髭、お似合いですね」
大沢詩織がそういって微笑む。
「ありがとう、詩織ちゃん、髭って、手入れが大変だけど、詩織ちゃんに褒められたら、
ちょっと、このまま、髭残しておこうかな。あっはっは」
声を出してわらうと、高田翔太は、うっすらとはやしている髭を、ちょっとさわった。
川口信也のいるテーブルにはクラッシュ・ビートのメンバーが勢ぞろいである。
1階フロアのステージ側ではなく、奥のバー・カウンター寄りのテーブルに、
モリカワ・ミュージックのミュージシャンたちや、雑誌記者たちは、席をとっている。
3時を過ぎたころ、拍手に包まれて、グレイス・ガールズのライブが始まった。
最初に、この日のために作ったばかりの、
『歳をとることの楽しみ、きっとある!』を披露した。
曲は、フュージョンっぽい、軽快な8ビートのバラードに仕上がっていた。
歳をとることの楽しみ、きっとある! 作詞 清原 美樹
作曲 大沢 詩織
秋の夕暮 稲穂の垂れる 田んぼの畦道
いつもの 日課の 愛犬との 散歩道
美しい景色の中で 思ったの 年取ることの意味
きっと 誰もが 心のどこかで 思っていること
人生は 短く 儚く 永くないこと・・・
だから きっと 「恋愛は 人生の花」と 坂口安吾は言ったのね・・・
歳をとること そして いつかは どこかへ旅立っていくこと
それは 人生にとって 悲しいことでしか ないのだろうか?
誰にとっても 若いこと 美しいことは 大好きなことだけど
Ah Ah ・・・わたしの 信じられるもの わたしの変わ
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