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銀河親爺伝説
第九話 第四次ティアマト会戦
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かし……」
なおも言い募ろうとするフレーゲル男爵を睨みつける事で黙らせた。戦場に出るのが怖いのなら来るな!

この状況で総旗艦を後退させる? 馬鹿が、そんな事をしたら総旗艦が怯んだと周囲は誤解しかねない、戦線が崩壊してしまうだろう。それほどに戦況は混乱している。最前線で戦う姿を全軍に示さなければならんのだ。予備も現状では投入出来ない、今投入しても混乱が酷くなるだけだ。もう少し反乱軍が消耗しなければ……。

「大丈夫ですよ、フレーゲル男爵。この戦争は勝ちます」
声を発したのはリメス男爵だった。
「いい加減な事を言うな!」
フレーゲル男爵の激高にリメス男爵が軽く苦笑を漏らした。この戦況で嗤うとは一体どういう男だ……。

「本当の事です、両軍とも混乱しまともな指揮系統など有りませんがミューゼル提督の艦隊は統率を保っています。そしてリュッケルト大将の艦隊も有る。いずれ機を見てミューゼル提督が攻勢に出るでしょう、それに合わせてリュッケルト大将を動かせば帝国軍の勝利です。それまでの辛抱ですね」

フレーゲル男爵が“馬鹿な、それでは”と言って口籠った。ミューゼルに武勲を立てさせることになる、そう思ったのだろう。その通りだ、不愉快だが事ここに至っては止むを得ない事では有る。だがもっと不愉快な事実が有る。私にはこの戦争を勝利に導く力が無いという事だ。そして……。

「リメス男爵の言う通りだ。しかしあの艦隊が動くまで我々の艦隊は損害を出し続けるという事か」
リメス男爵が微かに目を細めた。何だ?
「戦争である以上犠牲は出ます。勝つためにはいかに効率よく敵を殺すか、効率よく味方を死なせるかを考えなければなりません。楽に勝てる戦争など無い、そうでは有りませんか?」
「……」

つまり勝ちたければこのまま犠牲を出し続けろという事か。時が来ればミューゼルの艦隊が勝利を確定するだろう。私はミューゼルの武勲を讃えなければならない。拷問にも等しい屈辱だろう。そしてミューゼルを犠牲にして楽に勝とうとした私にはこれがもっとも相応しい罰というわけだ……。自嘲が漏れた。




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