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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第一章―剣の世界―
第3話?森の秘薬T
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◆◇


?現在の時刻は七時三十分。
?以前の僕ならばようやくベッドから起き上がりあくびをしている頃だろうが、今の僕は深い森の中を移動していた。先程まで暗かった周りもようやく朝を迎えたかのように段々と明るくなっていく。

?視界に見えるのは前を歩いているカイとコウ、たくさんの木々、そしてたまに出てくるモンスター。
?森というだけあって出てくるモンスターも植物系や昆虫系がほとんどだった。
?現実では手のひらよりも小さいサイズのものが自分と同じくらいの大きさで襲って来たり、唇が付いていかにもキモい植物が足を生やして襲って来たりして最初は気絶するのではないかと思うぐらい驚き混乱していた僕だったが、コウの指導の元で何度も戦闘を繰り返すうちに徐々に慣れていった。
?多分僕一人ならば確実にエスケープしているかHPが0になっていただろう。

「おらぁぁぁあ!」

?カイが空中を飛んでいる蜂型のモンスター《フォレストビー》の黄色の細い胴体に両手槍ソードスキル《スタッブ》を命中させ、蜂のHPが約四割減る。
?この技は片手直剣ソードスキルである《スラント》や《バーチカル》と同じように単発の基本技だ。技の内容は素早く敵を突くというシンプルなもの。
?僕は左手に持っている曲刀を握り直し、カイに呼びかける。

「カイ、《スイッチ》いくぞ!」

?前にも話したが、ソードスキル直後には硬直時間が存在する。
?そこでパーティーなどで戦っている仲間がソードスキルを使い硬直して無防備になった瞬間、他のプレイヤーが代わって敵にダメージを与えて攻撃役を交代するのが《スイッチ》だ。偉そうに解説しているが、これもコウからの受け売りです。すんません調子乗りました。?

「りょーかいっ!」

?いつもと変わらない落ち着きでそう返した彼の後ろから曲刀ソードスキル《リーバー》を繰り出した。この技は突進技なので、カイの後ろから敵に攻撃した形になる。さらに敵のHPが減って0になり、断末魔を上げながら体をポリゴンの欠片に変え、散った。?

「ナイスアシスト、ユウ」
「いやいや、なんのなんの」

?そう言って僕たちは「イエーイ!」とハイタッチをする。我ながらなかなかいいタイミングだったと思う。ちなみにコウは何してたのかというと、僕たちの様子を見ながら一人でモンスターを圧倒していた。すげー、さすがは元βテスター。
?そして、パリィィンッ!?という破裂音がしたかと思うと、コウが戦闘を終えてこちらに近づいてきた。本当に一人で倒しちゃった。?

「……二人とも、モノを覚えるのが早くて助かる」
「そう?」
「ああ、教えるのが楽でいい。いや本当にすごいぞ」

?勉強にも活かせたらいいのにな、とさりげなく失礼なことも付け加えながら。
?いや、一人であんなに
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