暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
壊れゆく世界◆最終決戦
第四十四話 ラストバトル
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「お前らはやめておけ。リスクがでかすぎる。やるのは、俺だ」
 ミズキが盾から剣を抜き、床に突き立てた。マルバはシリカと一瞬顔を見合わせると、ミズキを説得にかかった。
「ミズキ、ここでやるのは得策じゃない。いつものボス戦と同じように、今回も《神聖剣》の分析をして、しっかり対策をして臨むべきだよ」
「そうかもしれない。でもな、ここでクリアできれば、ここにいる全員が生還できる。百層まで行って攻略するなら、犠牲は必ず増える。可能性があるなら、いまやるべきなんだ」
「可能性――可能性って、もし失敗したらミズキが死ぬんだよ! ここで死ぬ可能性だって十分にあるのに、それでも行くっていうの!?」
 マルバは必死に叫ぶが、その説得は功を奏さなかった。ミズキは頷いて告げた。
「その通りだ」
「なんで――なんでそんなこと言うんだ! そうだ、さっきミズキは自分で言ったじゃないか、リスクがでかすぎるからやめておけって! 負けたら君は死ぬんだ、これ以上でかいリスクがどこにあるっていうんだ!」
 マルバの問いかけに、ミズキは一言で返した。
「いや、それは間違っている。これ以上小さなリスクは他にない。俺の命はこの場の誰のものよりも軽い」
 その瞬間、マルバの拳がミズキの頬にめり込んだ。ミズキは軽く二メートル半ほど吹っ飛んで倒れこんだ。
「ミズキぃッ! 君は……ッ! 君はなんてことをぉおッ!」
 マルバがミズキにのしかかった。二発目を殴りつける。そしてもう一度拳を振り上げたが、彼はそのまま固まると、力が抜けたようにミズキの胸に倒れこんだ。麻痺だ。ヒースクリフがついにマルバにも麻痺をかけたのだった。
 ミズキはマルバを横に転がすと、なんとか立ち上がった。無様に転がったマルバに別れのあいさつを告げる。
「……今まで、お前といれて楽しかった。うまくこいつに勝てたら、次は現実世界で会おう」
「ミズキ……君は……何故……」
 マルバは涙を流していた。ミズキはマルバに背を向けると、アイリアに顔を向けた。
「アイリア、お前はこんな俺をずっと支えてくれた。お前に会えて良かったよ。本当に、感謝している。……俺が死んでも、前を向いて生きろよ」
 アイリアは当然ミズキを止めるはずだと、マルバはそう思った。しかし、彼女はあろうことかミズキの言葉に頷いて、別れのあいさつまで言い出した。
「……私も、ミズキに会えてよかった。ミズキを好きになってよかった。……最後まで、ミズキと一緒にいて良かった。また会えるように、応援してる。もし駄目でも、あの誓い(、、、、)は守るから」
 アイリアは涙を流して、つっかえながらそう言った。マルバはアイリアの台詞が信じられず、アイリアとミズキを一緒くたに責めようとするも、あまりのことに言葉が出ない。ミズキは最後にシリカに語りかけた。
「お前とマル
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ