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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二話 腹違いの妹!?有り得るから怖い!その十一

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「ですから」
「いいんですか」
「左様です、これからも何かあれば」
「今みたいにですか」
「何でもお話して下さい」
 その優しい笑顔で僕に言ってくれた、今も。
「一人で悩まれるよりも二人です」
「二人で、ですか」
「悩みそしてです」
 そのうえで、というのだ。
「答えを出していくべきですから」
「だからですね」
「何でもお話して下さい、私は何時でも義和様をお助けします」
「有り難うございます」
「私はいつも義和様の味方ですから」
 こうまで言ってくれた。
「何でも」
「何か本当に悪いですね」
「悪くありません」
「それは執事さんだからですか?僕の」
「そのこともありますが」
 ここでだ、畑中さんは僕の目を見てだ、微笑みと共にお話してくれた。
「私は人間としても義和様が好きになりました」
「えっ、お会いして殆ど経っていないですが」
「それでもです、義和様を見ていて」
 そして、というのだ。
「好きになりました」
「僕何もしてないですけれど」
 それにだった。
「それにいいところなんて」
「ないと」
「無責任ですしいい加減で」
 少なくとも自分ではこう思っている、僕という人間はとだ。
「それにやること為すこと中途半端で。学校の成績もスポーツも」
「いえ、義和様は無責任でもいい加減でも中途半端でもありません」
 その三つをだ、畑中さんはまず否定した。
「それにです」
「それに、ですか」
「学校の成績やスポーツも普通以上ではないですか」
「そうでしょうか」
「少なくとも恥じるものではありません」
 成績やスポーツのこともというのだ。
「そして人としても」
「そのことは、ですか」
「今お話しましたが」
「無責任じゃないですか」
「いい加減でも中途半端でも」
「どうしてそう言えるんですか?」
 その具体的な理由をだ、僕は尋ねた。
「一体」
「詩織様のことで」
 あの娘のことからというのだった。
「あの方から逃げませんでしたね」
「そのことですか」
「はい、詩織様と向かい合わせお世話をされていますが」
「それ当然のことですよね」
 僕はそんなことは、と畑中さんに返した。
「人として」
「はい、人ならば」
 僕みたいに逃げず向かい合うことが人としてあるべき姿であるとだ、畑中さんも僕にそう答えてくれた。
「そうされるべきです」
「それでそこまでは」
「いえ、しかしです」
「しかしなんですか」
「実際にそうしたことをされる方は」
「いないんですか」
「はい、ですからそれをされている義和様をです」
 こう言うのだった。
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