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少年は魔人になるようです
第92話 少年達は黒幕とお話をするようです
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――――式典数日前

Side クルト

「久しぶり!元気にしてたかジジイ共?」

「あ、あ、ああああアーカード!?馬鹿な、何故貴様が生きている!?」

「……やれやれ。記憶消去と言うのは便利ですが、こう五月蠅いのはどうにかならないものでしょうか?」


メガロメセンブリア元老院・最深部。普段はここから澄まし顔で自分達の懐を肥やす事のみを話している

老害共も、この珍客には慌てふためくしかない。

しかしスッキリしましたよ。いくら指示を出しているのが愁磨さんとは言え、形だけはこの人形共に従って

動いて来たこの20年・・・・・あぁ、思い出したらムカついてきましたね。


「え、衛兵!何をやっとるか、取り押さえろ!!」

「あー、もういいから。お努めご苦労さん"永久に凍れ(アルテ・コンテーレ) 憐れな人形(シェンス・ア・プーパ)"。」


愁磨さんが唱えると、ギシリと時が止まったかのように元老院全員の動きが止まる。

これも何度見た光景か・・・。造物主と考えた世界再編の為の行動を人形に植えつける為に、逐一こうして

動きを止めて脳(?)を書き換える作業を続けて来た。それも、もう終わりですがね。


「クルト、式典に俺達のファンクラブ会員を誘導する手筈は?」

「ナギさん達の様に表立って活動している訳ではありませんからね。それでもなんとか集めましたよ。

少なく見積もって五千人は参加しますから、サクラとしては十分でしょう。」

「サクラかぁ……まぁ仕方ないか。本当は十倍くらい欲しかったところなんけどなー。」


一仕事終わった様に伸びをしながら、サラッと恐ろしい事を言ってくれる愁磨さん。

五年以上かけて漸く五千人ですよ?メガロの力で魔法世界全域徹底的に調べ上げてその人数ですよ?

どれだけ世間から隠されてる組織なんですか。『完全なる世界(コズモエンテレケイア)』残党の方が人数集まってますよ。


「それにしても……どうしてここで出て行くのですか?そんな必要は無いと思うのですが。」

「フッ、愚問だな。そっちの方が楽しそうだからだ!!」

「そんな事だろうと思いましたよ……。もう慣れたから良いですけれどね。」

「…………今回は、それだけって事も無いけどな。」


思わせぶりな事は良く言う人だが、その表情は珍しく気弱な物で・・・言葉を失ってしまった。

そして一秒、二秒と時間が過ぎるが、向うからの反応も無く微妙に気まずい。

参ったね・・・巫山戯た一言を言うにしても時を逃してしまいました。チラッと横を盗み見ると、

先程より更に表情は沈み、普段僅かばかり見えている男性の雰囲気が消えていて、まるで―――


「・・・・
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