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【完結】剣製の魔法少女戦記
第六章 正義の在り処編
第百七十九話  『魔術事件対策課への訪問』
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Side シホ・E・S・高町



………あの事件からすでに一週間が経とうとしている。
それなのに未だ手がかりは無しと来ている……。
ここまで来るとスカリエッティ事件のように長丁場になりそうだと私達機動六課は思うようになってきていた。
仮りそめの日常が今日もまた過ぎようとしていた。
そんな中、私は魔術事件対策課へと向かっていた。
さすがに私達だけで調査するには限界を感じてきていたのかもしれないからだ。
例によって他の部署も様々な場所で最高評議会の息のかかったメンバーの護衛に当たっているが、いつ機械兵士やリオンさんに襲われるかもしれないかもという恐怖に苛まれているという。
それで私達機動六課も、次は誰かの護衛につかされるか分からないから厄介だ。
護衛する人物が善良な人ならまだいい……だけど、中にはこの事件に期を見て逃げ出そうとする輩もいるそうで護衛と脱走の二重の危険性を孕んでいるという少し厄介な事態にまで及んできている。
それでもし脱走して、そしたらそれが責任問題に発展し、さらに果てには脱走後に殺されたという事になったら管理局の面子を潰す事にまでなってしまう。

「(はぁ……厄介極まりないわね)」

魔術事件対策課へと続いている道を歩きながらも私は色々な思考を巡らせていた。
この際、強引にでも私一人でのフリーでの捜査を―――……。
そんな思考が頭を過ぎる、だがすぐに頭に機動六課のメンバーみんなの顔が浮かんでくる。
そう、もう昔のように無闇矢鱈に動き回って敵を余計に増やす行為をして、その代償として私の帰りを待っているフィアとすずかの二人やみんなが悲しみ涙する光景など見たくはない。
昔のようにすべてを救う正義の味方の時の私だったのなら遠慮など後回しにしていたのだろうけど、あいにくともう私の正義は“大切な者達を護れる正義の味方”に変わっているのだ。
だから命令違反をしてまで無理や無茶をしたらみんなに……特にイリヤに叱られてしまう。
そんな事を思っていたらちょうど思考が読まれていたのだろう、脳内にイリヤの思念通話が伝わってくる。

《そうよ、シホ。私はいざとなったら気絶した時のシホの体を操作して守ってやれることはなんとかできるわ。だけど、もうシホの命はシホ一人だけのものじゃないんだから……。
アーチャーみたいに自らが嫌われ役になったり、キリツグのように十のうちの一を切り捨てるなんて考えをしたら………今度こそ、私はなんとしてでもシホを、コロスワ……》

あはは……。まいったわね。
イリヤにはすべてお見通しのようである。
伊達に私の中にいるわけではないということだ。

《うん、わかっているよ、イリヤ。私はもう道は踏み外さないわ》
《うん。わかってる》

なので思念通話で感謝の返事を返して
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