暁 〜小説投稿サイト〜
八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
第二話 腹違いの妹!?有り得るから怖い!その六

[8]前話 [2]次話
「本当にね」
「そうですね。ただ私は」
「詩織さんは?」
「母がいなくなって」
「お母さんが」
「死にまして」
 ぽつりとだ、詩織さんは俯いて僕に答えた。そういえば詩織さんの生い立ちとかそうしたことも一切聞いていない。
「それで一人になって」
「それでなんだ」
「どうしようかと思っていましたら」
 その時にだったというのだ。
「畑中さんが来られて」
「あの人が」
「私に入居のことを勧めて下さいました」
「そうだったんだ」
「はい、お金の方は幸い」
 そちらはというと、肝心の。
「親戚の人が出してくれることになりまして」
「よかったね」
「母の妹さん達が」
「叔母さん達ガだね、詩織さんの」
「それ位は心配するなと言ってくれました」
「いい人達だね」
「はい、とても。同居も申し出てくれたのですが」
「八条荘に入ったんだ」
「幾らそこまではと思いまして」
 遠慮してらしい、どうも詩織さんは大人しく謙虚な人らしい。何となく感じていたことだけれど今本人の話を聞いて余計に思った。
「それで」
「同居はしなかったんだ」
「養子にと言われました」
「へえ、養子に」
「叔母さん夫婦の。小さな女の子が二人いるんですが」
「その家の養子になんだ」
「そうなんです、そう誘われたのですが」
 それでもだ、幾ら何でもそこまではと思ってというのだ。
「お世話になったらいけないと思って」
「八条荘に入ったんだ」
「そうなんです。それで今日から」
「八条荘に住んで」
「この学校に通います」 
 この八条学園高等部に、というのだ。
「そうすることを決めました」
「そうなんだね。けれど畑中さんが」
「あの人が母のお葬式の日に来てくれまして」
「ううん、そう考えると」
 僕と詩織さんは、本当に有り得た。
「まさかと思うけれど」
「私と義和さんが」
「お父さんの記憶とかは」
「ないです。ずっと母と二人暮らしでした」
 それでだ、父親の記憶はなかったというのだ。
「母は看護士をしていました。けれど交通事故で」
「それで」
「一人になって、でした」
 畑中さんが来てくれて、だったというのだ。
「母も父のことは何も教えてくれませんでした」
「本当にそうだったんだ」
「そうです、私が幼い頃に別れたと」
「うちの親父なら有り得るから」
 あちこちに、それこそ人妻さんと幼女の子以外はという親父だ。それこそ何処に子供がいるかなんてわかったものじゃない。
 それでだ、僕もこう言った。
「そうしたことは得意中の得意だったからね」
「だから」
「うん、あるよ」
 そうしたこともとだ、また言う僕だった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ