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アラガミになった訳だが……どうしよう
原作が始まった訳だが……どうしよう
42話
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て何の意味もないし、それを考えた私はマキナの傍にいちゃいけない。だから私はマキナに頭のおかしな化け物として殺されようとしたんだよ」
はー……どうにもこいつは支部長から自己犠牲ってのを学んだつもりらしいが、大分間違った形で理解しやがったな。そりゃ憎まれ役を引き受けるのはいいが……こいつの思考の中には俺の感情というものが計算に入っていないらしい。
「あのな……イザナミ」
「何かな?」
瞳に涙を浮かべながらこっちを見るイザナミは痛々しいことこの上ない。捨てられた子犬のような目、とでも言うべきだろう目だ。
「そもそも俺はお前を化け物だとは思えないし、そんな風に考えるつもりもない。お前を殺すなんて絶対にできない」
「じゃあ、私はどうすればいいの!?人間も殺しちゃいけない、マキナが傷付くのもダメ、私が死ぬのもダメ!!一体どうすればいいいって言うの!?」
「だかさ……お前はただ俺の傍にいてくれればいいんだよ。命を捨てるならその位の負担くらい背負ってくれよ。誰だって生きてりゃ悲しい事や辛いことはある、それはどうしようもない。
けどさ、その時に誰かが傍にいれば立ち直れるんだよ」
「……それだけでいいの?」
「それだけでいいんだよ。どれだけ辛くても誰かが傍にいるってのはそれだけでいい程の意味があるんだよ」
「……そっか簡単なんだね。本当に人間って難しいのか簡単なのかよく分からないや」
「人間はそういう存在なんだよ。人間の俺だってよく分かってないんだからな」
本当に人間ってよく分からん生き物なんだよ。
イザナミはクスクスと笑いながら泉から足を上げると、ゆっくりと俺に近づいてからかうような表情で俺を見た。なんだろう……こいつがこういう表情をする時はロクでもない事が起こると俺の経験が叫んでいる。
「ねぇ、マキナ……マキナは私にずっと傍にいて欲しいんだよね?」
「改めて聞くと随分と恥ずかしい言葉だが……そうだ」
頼むから何度も言わせないでくれ……本当に恥ずかしいんだ。
「だったらさ、もう少しちゃんとした言葉にして欲しいな?」
「……言わなきゃダメか?」
「当然、こういうのは男の人から言うものじゃないの?それに私の名前からして、私から言うのは縁起も良くないでしょ?」
……確かにそうだが。あーでもな……言わなきゃダメだよな。ここは覚悟を決めるしかないか。
「ただ最初に言っておくが、俺に洒落た言葉なんてないからな」
「うん、いいよ」
「俺は死ぬまで貴女の手の傍にいる。だから貴女も、死ぬまで俺の傍にいて欲しいんだ、結婚して下さい」
……俺はそう言って頭を下げた。本心から頼み込んでいるというのもあるが、とてもじゃないが今の顔は見せられたものじゃないって事は自覚しているのでこれで許して欲しい。
「はい、こんな私ですがよろしくお願い
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