暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜
繋がる力
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
つける。

『この、愚民風情がぁああああ!!!』

シオンは剣を構える、しかしその構えはどの構えと違っていた。

「ッ、まさかアイツッ!!」

雪花神月流(せっかしんげつりゅう)終の太刀(おわりのたち)・・・!!」

エリーシャは見た、シオンの持つエクスキャリバーが金色の光を放つのが。
その光は力強く、しかし暖かな光だった。

『いけ・・・ッ』

『死ねぇえええ!死に損ないがぁあああ!!!』

「いっけぇえええ!シオーン!!」

「うぉおおおおおおおおおお!!!!!」

ヨルムンガンドは応戦すべく、渾身の力を込めたビームを放つ。シオンも手に力を込める。

「細氷、《ダイヤモンドダスト》!!」

シオンの渾身の一振りはビームを切り裂き、ヨルムンガンドの核に届く。しかし、その固さは先ほどの倍近くはあった。
軋み、痺れ、渇いていく身体、霞む視界───彼は既に限界にあった。
今にも崩れてしまいそうなその身体───

『ハァ、ハァ、クソッ・・・身体がもう、ボロボロだ・・・。今にも、消えそうだ・・・』

普通ならもうとっくに崩れてもおかしくないその身体。彼はその身体を、たった一つ想い(・・・・・・・・・・・)だけで支えていた。

『けど、身体は動く!・・・まだ、まだいけんだろ!!なら・・・』

「なら出ろ!もう一滴ィイイイッ!!」

シオンは再びその眼を見開く。彼の眼はまだ死んでいない、この不利な状況でもなお、濁りのない光を灯す。

“信じる心”───それだけが彼を支えていた。

たったそれだけ、それだけで彼には充分だった。

『「うぁあああああああ!!!!!」』

ガシャアアアアアッン!!!!!

ヨルムンガンドの核は砕け、粉々となった。

「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」

ヨルムンガンドは断末魔をあげ、その姿が光となってだんだん崩れていく。ゆっくりと光となって消えていくヨルムンガンド、その姿をエリーシャたちは見つめていた。

「やった・・・」

「やった、のか・・・?」

その光の中にいる二つの影、リンクを解除したシオンとヒースクリフはそこにいた。シオンはヒースクリフに支えられながら空に浮いていた。
四枚あった羽はもがれ、今は両翼一枚ずつとなっている。その羽もいたるところに傷があり、身体にはラグが所々にあった。
そんなボロボロな彼は荒い息をたてながらゆっくりと、しかし力強く拳を掲げた。

「ヘヘッ・・・!」

そこには力はなくともいつものあの笑顔があった。

エリーシャはその姿に涙が止まらなかった。
でも、彼女は彼に向けて笑顔を作りながらこう言った。

「シオン、おかえり・・・!!」

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ