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究極変態スナイパーブリーフ13PART2
第五章

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「捕まってね」
「そうしてか、俺は吊るし上げられるか」
「そうなったら終わりよ」
 愛人はこのことを言うのだった。
「だからね」
「そうか、それじゃあな」
「今なら車を出してね」
「それで密かに港に行ってか」
「工作船を用意しておくから」
「それに乗ってだな」
「私の国に逃げましょう」
 これが愛人の提案であった。
「そうしましょう」
「俺は心の祖国にとって必要な人間か」
「ええ、貴方のお陰でこの国は貶められてね」
「監獄との関係は極端に悪化したな」
「貴方の功績よ」
 その捏造記事のだ。
「だからね」
「それでか」
「そう、今のうちにね」
 まさにというのだ。
「逃げましょう」
「よし、それじゃあな」
 白ブリーフ一枚でベッドの上に胡座をかいた姿勢でだ、餓村は頷いた。
「明日な」
「逃げましょう、この国から」
「そうしようか」
 こう愛人と話しているとだ、ここでだった。
 突如としてだ、部屋んの天井にだった。
 ブリーフにネクタイだけの男が出て来て張り付いていた、その彼がだ。
 餓村と愛人にだ、こう言った。
「話は聞かせてもらった」
「!?御前は誰だ!?」
「何者?」
「その女のことはわかっている」
 天井に忍者の様に張り付いた姿勢でだ、ブリーフ13は自分を見上げて身構えている愛人に対して言った。
「喜多挑戦の工作員だな」
「くっ、そのことを知っているのか」
「俺の情報網を甘く見ないことだ」
 これがブリーフ13の愛人への返答だった。
「それ位はわかる」
「だとすると貴様は」
「黙っていてもらおう」
 こう言ってだ、ブリーフ13は。
 右手から黒ナイロンの靴下を出してだ、それを女の口の中に投げ込んだ。すると女はその異臭と口の中を支配した嫌な感触にだ。
 悶絶してその場に倒れた、ブリーフ13はそれを見届けてから着地して言った。
「俺は水虫だ」
「病気持ちだというのか」
「素足で公衆便所に入っても平気だ」
 恐るべき衝撃の真実である。
「全くな」
「そ、そんな足の靴下か」
「ついでに言うと生まれて三十年以上一度も風呂に入ったことがない」
 これまた衝撃の事実だった。
「シャワーも浴びない主義だ」
「身体も拭かないのか」
「拭かない」
 一言での返事だった。
「あの靴下も一年以上洗わずに履いたままだった」
「くっ、何と恐ろしい男だ」
「そしてだ」 
 ブリーフ13は餓村を右手の人差し指で指し示して言った。
「残るは貴様だけだ」
「私に何の用だ」
「従軍慰安婦のことだ」
「まさか貴様は」
「御前は捏造記事を書いたな」
 実にダイレクトな返事だった。
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