第四章
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「お兄さん私と遊ばない？」
「何だ君は」
「だから。私と遊ばない？」
こう言うのだった。
「安くしておくわよ」
「俺はそんな趣味はない」
五十貝はブリーフ１３が誰か知らないが戸惑いながら返した。
「女だけだ」
「あら、つれないわね」
今度は相手の体にしなだれかかってだ、ブリーフ１３は芸者の様に言うのだった。ただし表情はまさに鉄仮面だ。
「私遊びたいのに」
「そもそも君は何だ」
「従軍慰安婦よ」
無表情のままの言葉だ。
「そんなの決まってるじゃない」
「従軍慰安婦！？そんなものはいない」
五十貝はこの未確認動物の存在を否定した。
「捏造だ」
「あら、捏造なの」
「そうだ。そんなものはいるか」
「あら、浅墓新聞の記事では撤回されてますわよ」
男の声でだ、ブリーフ１３は夜の公園で五十貝に言うのだった。
「けれどいたことは間違いないと」
「捏造だ、あれは浅墓新聞がこの国を貶める為に書いたのだ」
「そうでしたの」
「喜多挑戦の指示でだ、監獄の工作員と共にだ」
「仕組んだことですの」
「他人を貶めるにはその相手の下半身を攻めることだ」
五十貝はブリーフ１３、下着姿の男に夜の公園でいきなり誘いをかけられ戸惑い心の余裕を全く失っていた。それで自分からベラベラと喋ってしまっていた。
「だからだ」
「慰安婦の記事を書きましたの」
「そうだ、あれが捏造であることは社内の誰もが知っている」
「証拠はありますの？」
「ある、資料室のＵＳＢメモリーの赤の八番だ」
そのＵＳＢメモリーがというのだ。
「そこにある」
「間違いありませんのね」
「俺は嘘の記事はいつも書く」
自ら捏造の常習犯であることを言うのだった。
「しかし今はだ」
「嘘ではありませんね」
「嘘は言わないから離れろ」
これがブリーフ１３への言葉だった。
「いいからな」
「わかりましたわ、ただ」
「ただ、何だ」
ここでだブリーフ１３はだ。
五十貝の両肩に自身の両手を置いてだ、そのうえで。
大股を開いてジャンプをしてだ、相手の顔に己の股間、生まれてから一度も入浴しておらず洗濯もしていない白ブリーフに覆われたそれをだ。思いきり押し付けた。
その柔らかい部分が口に触れた、その瞬間に。
恐ろしいまでの悪寒と異臭にだ、五十貝は気を失ってだった。
白目を剥き口から泡を吹きつつ倒れた、尚インキンの菌もカンジタ菌も淋菌のその顔に何十億と触れて移っている。
ブリーフ１３は程なく浅墓新聞に潜り込みそのメモリーを手に入れた、こうして仕事の一つを何なくクリアーした。
それからだ、彼は北海道に行ったのだった。
北海道ではだ、餓村は浅墓新聞を天下りして某大学の講師になっていたが今は記事の件で追われていた。それ
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