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ブラウンじいさまのお話
第二章
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「残念だったね」
「わかりました、じゃあ西の森に行ってみます」
 こうしてでした、この日もでした。
 じいさまはそのビリーさんに会えませんでした、それでまた次の日に。
 西の森に行ってみました、そうして西の森でもでした。
 若い女の子の梟はいません、いても皆結婚しています。それでじいさまはまたかもと思いながら今度は子連れの栗鼠のおばさんに尋ねました。
「あの、ここにビリーさんという梟さんは」
「ああ、あの娘だね」
「いますか?」
「今夜、さっきね」
「さっきですか」
「出て行ったんだよ」
 そうだとです、おばさんはじいさまに言うのでした。
「誰か。若い独り身の梟がいないかね」
「そうだったんだ」
「この森には若い雄の梟がいてもね」 
 それでもだというのです。
「皆結婚してるからね」
「だからですね」
「相手がいないのなら仕方ないって」
「それでなんですか」
「この森から出て行ったよ」
「そうですか、じゃあ」
 こうしてでした、じいさまはまたそのビリーさんに会えませんでした。ですがそれでもなのでした。
 そのビリーさんが独身の梟を探していることはわかりました、つまりそれは。
「僕のことだね」
「ああ、そうなるね」
 グレーさんもじいさまに応えました。今じいさまは自分の森に留まっています、それでグレーさんと同じ木の枝に止まってお話をしているのです。
「確かに」
「そうだよね、じゃあね」
「もうあれこれ動かずにだね」
「待っていようかなとも思うけれど」
「この森にだね」
「ビリーさんの方で来るんじゃないかな」
 こう考えてです。
「そう思うけれど」
「そうだね、どうも君のお話を聞いてるとね」
 どうかとです、グレーさんも言うのでした。
「ビリーちゃんはあちこちの森を飛び回ってるからね」
「そのうちこの森にも来るよね」
「多分ね」
「じゃあこの森で待っていようって思うけれど」
「その考えもあるね。けれどね」
「けれど?」
「若しもだよ」
 こう前置きしてからです、グレーさんはじいさまに言いました。
「ビリーちゃんがこの森に来る前に相手を見付けたら」
「若い雄の梟をだね」
「独身のね、そうなったらね」
「僕も困るね」
「そうだろう?松のもいいけれど」
「動くこともだね」
「それも方法だよ」
 結婚相手を見付けるそれだというのです。
「まあどっちがいいかはね」
「わからないんだね」
「正直なところ僕にもね」
 グレーさんにも、というのです。
「それはね」
「そうなんだ」
「そう、まあそのビリーちゃんがあちこちの森を渡っていることはわかったよ」
「相手を探してね」
「そのことを考えると」
「かなり相手が欲しいみたいだね」
 結婚相手をです。

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