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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
全ては呼び鈴とともに
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夕方五時。

学校から直帰した紺野木綿季と自室でだべっている時、ソレはやって来た。

―――ピンポーン―――

どこか調子っぱずれなのがたまに傷な呼び鈴の音が、木目が揃っている廊下を通して軽やかに響き渡る。

「お客さん……かな?」

アパートの呼び鈴が押されるのはかなり珍しいといってもいい。何しろこの日本家屋に訪れるのは、一から十まで昔からの顔馴染みであるのだ。申し訳程度に玄関横に据えられてはいるが、果たして住人達の中でその存在に気付いているものが何人いるか、という感じなのである。

すぐに玄関で華子さんが応対する微かな声が聞こえてくる。

華子さんは着物を着た女性の幽霊で、いつも玄関にいて挨拶くらいしか喋ってくれない。だから、弱々しい力とともに蓮の部屋のドアがノックした時も、無言の一言であった。

「…………」

「あぁ、華子さん。え?蓮にお客さん?」

華子語(点しかない)を理解できる人は少ない。同じ幽霊のるり子さん(こちらは喋りたくても喋れない)や、見た目小学生教師の小萌先生、紺野木綿季などだ。蓮にはさっぱり分からない。

扉を開いて応対していた木綿季がこちらを振り向く。

「蓮、お客さんだって」

訝しそうな声に、同じく蓮も首を傾げる。

小日向蓮を尋ねてくるような人間に、いまさら呼び鈴を鳴らさなければならないような者に心当たりはない。

キリトこと桐ヶ谷和人などは、ここの雰囲気が気に入ったとかで週末には必ず恋人である結城明日奈を連れ添って訪れてくる。どうでもいいけど人の自室でイチャイチャするんじゃねぇよご両人。

などという益体もない想像は、木綿季が車椅子の後ろにあるハンドグリップを握り、玄関の見える廊下に出たとともに霧消した。

日本家屋の代名詞ともいえる引き戸の大きな玄関に、しかしその雰囲気をまとめてブチ壊すような人間が二人立っていた。

奇妙な、ではなく異様な二人組みであった。

細身だが無駄な脂肪がついていないと一目で伺える痩身をダークスーツに包み、カタギとはとてもじゃないが思えない眼光を黒髪のほうは銀縁眼鏡で覆っているが、はっきり言って逆効果だった。

片方は黒髪で、もう片方は金髪。蓮の、というか木綿季でさえも、ヤクザとチンピラを連想させるであろう雰囲気。

うっ、と。

思わず木綿季が漏らしたのもむべなかる事かもしれない。

「………おじさん達は?」

音もなく眼を数ミリ細めた少年が、木綿季にさえ聞こえるか聞こえないかの音程で問う。しかしその声は、その場にいる全員の脳裏に直接ブチこまれたかのように響き渡った。

警戒心。

その一言だけで、大の男達を圧倒する規模の『気』を蓮は発していた。

その少年に対し、男達のうち黒髪の方が口
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