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リンネの記憶
チャプター1 始まり

[2]次話
「じゃんけんっ…ぽんっっ…
やったぁぁぁっ…かったぁぁ!」

真っ暗闇の中でじゃんけんをしていた僕と誰か。どうやら僕は負けてしまったようだ。

「じゃあボクは…こっちっ」
じゃんけんに勝った相手が何かを選ぶ。その瞬間僕は落ちるような感覚に陥った。
「うわぁぁぁぁ…」
どこに落ちていくのかはわからない。パラシュートも開かない。僕はこのまま死ぬのか…あぁ…地面がだんだんと近づいてくる…もうダメだ…
落ちたときには痛みはなかった。当たり前か…死んだんだもの…
そんなことを考えていたとき…
――…ブイ……ブイ…ィーブイ…
心配そうな声が聞こえる。これは誰の声だ?天使か悪魔か?てかイーブイって誰だよ?
僕の他に誰かいるのかな?
「イーブイ…イーブイ…大丈夫なの?」
ーブイって誰?
あれ…目が開きそうだ…
おそるおそる目を開くと何匹かの動物が僕を取り囲んでいる。
「あっ!イーブイ…死んじゃったかと思ったてよ…ウワァァァァァン…」
一匹が泣き始めると他の動物ももらい泣きして泣き声の大合唱が始まった
「ちょ…ちょっと…ストップ!」
僕が声をあげると動物たちは泣くのを止めた。
「ちょ…ちょっと…こ…ここはどこなの?」
「…ど…どこって…ここは僕の家だけど…」
僕の頭が混乱する。何で動物が話しているのか。なぜ動物たちが僕を心配しているのか。なぜ僕は生きているのか…
わからぬ。何度考えてもわからないまま。
「つまりここは君の家で僕は君の…友達?」
「そうだけど…イーブイ…頭…大丈夫?」
こんな現象にあって大丈夫な訳ない。自分が誰かもわからない。生きているのか死んでいるのかさえわからない。よくわかんない。何であそこでじゃんけんして負けて落ちたのに生きているのか。僕はいったん頭のなかで状況を整理する。
「…うん。大丈夫。じゃあ今度は僕の話を聞いてくれる?」
「うん。聞いてあげるよ」
僕は自分が体験したことをすべて話した。真っ暗ななかでのじゃんけん。落ちたこと。目が覚めたら見知らぬ動物に囲まれていたことを。
[2]次話


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