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Ball Driver
第四十四話 ヒヨッコ達
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の大会前にも南十字学園を記事にしてくれた、ご贔屓にしてくれるライターだ。権城は中学の頃からの付き合いである。

「三年生が抜けても、強いねぇ。一番の楊茉莉乃は三拍子揃ってるし、権城くんが三番で頑張ってるし。ピッチャーも、品田が居なくなっても背番号10の子のスリークォーターからの140近い球は威力があるし、エースのサイドスローからのコントロールは良いし……」
「いやいやいや、そんな連中より、大利さんが気になってるのはあいつでしょ?」

権城が指差した先には、姿。姿は今日の試合、全く出番が無かった。ブロック予選ではまだ一球も投げていない。

「……ま、そうなんだけどな」

大利も権城の言葉を否定しない。一年生でいきなり150キロを連発し、帝東打線を一瞬で黙らせた姿の投球のインパクトは見る者の目にしっかりと焼きついたようである。

「しかし彼、試合前のアップもしてないじゃないか。キャッチボールすらしていない。背番号も20だし、何かあったのか?」

権城は、露骨に困った顔を見せた。

「そーなんですよー。ちょっと、怪我しちゃいまして。いやー、あの実力ですから、秋からはエースとしてバリバリやって欲しかったんですけどねー。」
「そうか。それは残念だな。復帰はいつ?」
「いやー、それが全然目処も立たなくて……」

権城の痛恨の表情に、大利は心底同情した。

「まぁまぁ、今は残った戦力で何とか勝って、甲子園で新道くんに復活の機会を与えるというのもまたアリだろう。これからも頑張ってくれよ、俺は二試合目を見てくるからな。」
「はい、頑張ります。ありがとうございました。」

去って行く大利の背中に、権城は深々と礼をした。礼をして下を向いているその顔には、ニタァーっとした笑みが張り付いていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーー


カァーン!
「よーしナイバッチミセスー!」
「ナイスー!」

2塁ベース上で、やたらとエロく髪をなびかせる神奈子。その様子をスタンドから見ている者たちが居た。

「……うっわ……何あれ……サザンクロスまたヤバくない?あの背番号3、めちゃくちゃエロいじゃん。付き合ってくんねぇかな。いや、付き合わなくて良いから一度ヤリたい」

帝東高校野球部の新主将に就任した佐武星矢が、鼻息を荒くして神奈子のナイスバディに釘付けになっていた。確かに、神奈子の体つきでショートフィットスタイルのユニフォームは反則級ではある。

「サザンクロスは羨ましいよなぁ。夏もさぁ、遠藤だっけ?相手のキャプテンが2塁に来たらめちゃくちゃ良い匂いしてさぁ、俺ずっと2塁ベースついていたかったもん。」

佐武の言葉に頷いているのは、夏の大会ではセカンドを守った飯島。夏の甲子園でもベスト8まで進んだ、二年生二
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