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夏祭りフェイズ  2
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琳の側に行こうとするやろ?」
「ぐっ……そ、そそそ、そんな事は――――」
「ふーん、なら季衣、春蘭の手ぇ繋いどき。ウチはもう片方繋ぐからな」
「わーい♪ 春蘭様ぁ、いっぱいおいしいモノ食べましょうね!」

 季衣に笑顔を向けられては逃げられなかったのか、春蘭はなんとも言えない表情のままで固まっていた。クスクスと笑いながら春蘭の手を握る霞。神速に隣で目を光らせられては逃げられもしない。
 その様子を微笑みながら見ていた秋蘭は、ほっと一息ついて流琉に手を差し出した。

「流琉は私と手を繋いで行こうか」
「は、はい、秋蘭様。あの……よろしくお願いします」
「ああ、今日はよろしくな。では華琳様、行って参ります」

 恥ずかしげに俯く流琉の頭を優しく撫で、振り向いてペコリとお辞儀をした秋蘭。春蘭はうるうると瞳を潤ませて華琳を見つめている。

「ふふ、いい気味だわ、あのいのし――――ひぁっ!」
「はいはい、時間が勿体ないんだから喧嘩なんか売らないの。それにあんまり広がって歩くのはダメだから、あんたはボクと手を繋いで歩きなさいね」
「ひょ、ひょんなぁ……」

 春蘭が華琳の側にいない事で気をよくしている桂花は、ざまあ見ろ、と言わんばかりの意地悪い笑みを浮かべていたが……背後から詠に両のほっぺたを抓られて飛び上がった。
 詠の言葉を受けて、この世の終わりとでも言わんばかりの表情で固まってしまった。

「ええ、いってらっしゃい。五人とも楽しんで来なさい」
「はい! 行ってきまーす!」
「……行って……参ります……華琳様」
「ほなまた、舞台が終わったら城で」

 ふりふりと手を振った華琳に、口ぐちに返事を返して、二番手の五人はゆっくりと街道を歩み始めた。

「リンゴ飴は、お腹がもたれるので始めはやめておくべき、です。この前てんちょーと、幽州の視察に行った時に作ってたのを食べたことがあります」
「大きいのじゃなくて小さいのなら良さげかとー。たこ焼きは三人で分ければいいですねー。からあげは小さな入れ物で十分ですし」
「お好み焼きや“たません”も外せません」

 軍師であるが故に、街にある屋台の種類を知っている風と稟、朔夜の三人は、入る前からどれを食べるのか計画を立て始めていた。
 祭りの入り口で食べるモノを決めている小学生のようだな、なんて考えながら、秋斗は三人に言葉を零した。

「三人もそろそろ行け。ああ、それとな、お前達には内緒にしてたが、店長が変装して店を一つだけ出してるんだ」

 瞬間、得物を狙う目で見たのは……秋斗と一緒に歩く事が決まっている雛里を除いた全員。教えるべきだと鋭い光が訴えていた。秋斗はあまりの威圧感にたじろいで目を泳がせる。

「秋斗……? もしかして……ここで新作を出してる、とか
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