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高校生エレクトローター
二十一話 二年前(メモリー)
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保険室前の廊下
海波と広翔は貝木と対面しに来た。



「久しぶりだな。貝木」

広翔は笑った。

「そうだな。」

貝木は単純にそう応える。
説教を受けたのであろう貝木は少し落ちたえているようだった。

「女の子は無事だったのか?」



「左肩骨折。今は検査中だ…」

貝木は大人しく反省した様子で言う。


「そっか。」

広翔は目を軽くつむってそう呟いた。




ここでは息もつまりそうな雰囲気で話も続かそうなので

「少し外にでて話さないか?」

と、そう提案をした。


「そうだな。」

貝木もそう応え、歩いて中庭に出た。


海波は空気を読んだのか、女の子の様子を見てくる、と言って保険室に入って行った。





・・・・





春の桜が咲く校舎の中庭。普通の学校とは大違いで、綺麗だった。

現在は授業中・詳しくは実力テスト中で、中庭は誰もいない。



二人とも木下に置かれていたベンチに座った。
木陰に入り、春の気温が少し寒く感じた。


「先生からは?」


「・・・停学処分だってよ。一週間。」


案の定だった。どこの高校でも騒動を起こしたらこのような処分は受けるだろう。
しかもこの学校は厳しいので、もっと重い処分が下されるのだろうかと思っていたくらいだった。


「・・・まぁ、ドンマイといったところだな。」

広翔は気を使った口調で言った。


「まあな・・・」

貝木は小声でそう答える。


「騒動の時の覇気をだせよ。 な?」



「無理。 俺のこと知ってんだろ?」

貝木もカラ元気を出しながら苦笑する。



「知ってるよ。」

広翔は真面目に言った。






おれは貝木 智也のことはよく知っている。




感情障害者(かんじょうしょうがいしゃ)。
この世には意外と少なくなかったりすると言われる人種だ。





実は感情障害者のほとんどの者が生まれつきではなく、人工的に。
脳の中の感情大脳を白紙化にして、そこに能力解算空域にするためだ。
そんなことをしてまでも能力を持とうとするのが現在。

狂っているだろう、と思うだろう。
でもそうしないと生活して食べていけないのだ。




もちろん、そんな人工的なことをすれば人間が壊れる。
感情が狂えば自分をコントロールできなくなってしまう。
だから静かめな貝木でも人格が変わるのだ。




「あーあ。また騒動起こしたら留年とかなるのかなー」

貝木は空を見上げ、大きなあくびをしながらそう言った。

実際退学や留
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