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Ball Driver
第三十九話 まだまだこれから
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野球を続けた者の他にも、編入生も居たり、軟式野球部からの入部もあったり。


「新キャプテンは権城さんか。熱い人だからな。ジャガーよりキャプテン向きだろう。」
「すごく厳しいのかなぁ……不安だなぁ……」
「大丈夫ですよ。姿ぼっちゃまの特訓に比べたら」
「あれ、本当に死ぬかと思ったわよね……」
「え?そんなにしんどかったかなぁ?覚えてないや^_^」

姿、和子、タイガー、茉莉乃と瑞乃は中等科硬式野球部からのエスカレーター組である(台詞は無いけど一応松山洋も)。かなりの実力を誇った硬式野球部のメンバーだから、これは期待できる。地元民でもあり、チームの中心になっていくのは間違いないだろう。

「暑いわねぇ……こう暑いと、わたくしのリビドーもたぎってしまうわ……ねぇ?」
「奥様……残念ながら、僕には分かりかねます」
「私も」

そして編入生。超絶ダイナマイトボディのやたらと妖艶な少女というより女、背中の曲がった陰気な少年、そして金髪青い目の少女。彼らの実力はまだまだ未知数だ。

「………」

中等科の軟式野球部からはただ一人、仁地佳杜が高等科野球部に入部してきている。




一年生達がグランドに足を踏み入れた時、大きな声が響いた。

「おい!遅かったなァ!」

そこには、朝早くからジャガーと2人でグランド整備していた権城が仁王立ちしていた。



ーーーーーーーーーーーーーーー


「という事で、六十代のキャプテンを務める事になります。権城英忠です。どうぞよろしく。」

全員を集めた円陣で権城が自己紹介すると、パチパチと拍手が起きた。最初に茉莉乃にホームランを打たれ、春の大会途中からずっと控えだった事もあって一年生の中での権城の評価は微妙だったが、それも夏の大会準決勝での代打ホームランを含めた活躍によって大きく上がり、今では権城のキャプテンに不平を言う奴は居ないだろう。

「……で、俺から少し話をしたいのは、まず最初に、このチームでどこまで行きたいか、だ。おい松山、どこまで行きたい?」
「は、ハイッ!甲子園ですっ!」

権城の質問に松山は即答した。権城はジト目で松山を見た。

「即答?お前即答しちゃう?即答で甲子園とか言っちゃう訳?週三練習で本気で甲子園行けるとか思ってんの?よそのチームがオフ半年に一回とか言ってる中で?お前言葉軽いんだよ反省しろ」
「」

意気込んで答えたというのに、けちょんけちょんに言われて松山は閉口した。

「じゃ、姿。お前は?」
「……もちろん、甲子園まで行くつもりです。」
「行けると?」
「僕は思ってますよ。」

圧迫気味の権城の態度にも全く動ぜず、姿は胸を張って堂々と答えた。

「準決勝で負けた時、僕は悔しかった。僕だけじゃな
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