EPISODE21 経緯
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とじゃない。
「あれ、シャンプー切れてる・・・・ごめん、シャンプーとってくれない?」
浴室からシャルルの声が。僕をモニカと勘違いしているのだろうか?
一瞬どうするか迷ったものの、男同志なら問題ないだろうと室内にはいりわかりやすい位置にあったシャンプーを手に取る。
このとき、僕はおそらく人生最大の選択ミスをおかしていた。まず、シャルルにずっと抱いていた違和感の正体。そして、このプリントを届けるという行為。部屋を訪ねたとき、返事がない時点でモニカのところへ行けばよかったのだ。
そしてソレは起こってしまった・・・・。
ガラガラと音を立てて開かれる浴室のドアの内部から湯気の白い靄があふれだしその場を満たす。
まず僕の目に映ったのはシャルルの生まれたままの姿。だが、僕の中のイメージに対する大きな違いがいくつか。
一つは、聞こえてきた声が男の子というよりは女の子だったということ。そしてもう一つは、本来あるべきものがなく、ないはずのものがあるということ。それもかなりくっきりとした・・・・・見事なまでの美しい凹凸。
この瞬間、彼・・・・いや、彼女に抱いていた違和感が確信に変わった。
◇
そてからはなんとも大変だった。覗きと勘違いされたうえにベストなタイミングで帰宅したモニカにナイフを突きつけられて危うく命を落としかけた。なんとか冷静さをとりもどしたシャルルにより誤解だということが弁解され、ようやく事態は沈静となった。
なったのはいいのだが・・・・
「シャルル様、これは非常にマズイですよ」
「うん。ここはやっぱりライには記憶を・・・・」
なんだか危ない発言がひそひそとささやかれている。逃げ出したい気持ちを抑えつつ、僕はくちを開いた。
「えっと・・・・なにかマズイことなら公言はしないと約束する。だからその・・・・」
若干また命の危機を感じた僕は慌てて二人をなだめる。それに苦笑いを浮かべるシャルルと咳払いをしてごまかすモニカがなんとも微笑ましいように見えた。
「でも、なんで男装なんてしてたんだ?」
「・・・・やっぱり気になるよね。モニカ」
「シャルル様が絶対的信頼できる相手なら私に拒否する理由はありませんが・・・・やはり反対です」
モニカとしてはシャルルの身の安全が最優先、いくらクラスメイトで交流のある僕でも身のうちを話すのは納得できないのは当然だ。でも、とうのシャルルはそうでもないらしい。
「こうなった以上ごまかすことはできない。それにライは他の人とは違う、そんな気がするんだ」
絶対的な自信があるような視線をむけるシャルル
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