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雲は遠くて
50章 美結と真央と涼太、CMに出演
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な。女性のヤキモチって、コワいからなぁ。
そういえば、竜さん、おれにこんなことを聞いたっけ・・・・

 ふと、信也は、()きつけの渋谷のバーでの、先日の竜太郎との会話を思い出す。

「しんちゃんは、前に、つきあっていた、清原美樹ちゃんには、今では、恋心
とでもいうのかな、そんな恋愛感情は、自然と消えちゃったのかな?」

 竜太郎からそんなことを聞かれた信也は、思わず声を出してわらった。

 竜太郎は1982年生まれの31歳。信也は1990生まれの24歳。
なぜか話の合う、酒飲み友だちの二人には、歳の差など関係なかった。

「おれは、美樹ちゃんのことは、本当に、好きだったんですよ。
いまでも好きかと聞かれたら、詩織ちゃんのことがあるから、
はっきりと言えないし、うまく言えませんけれどね。まあ、
美樹ちゃんは、おれに、愛というもんが、どんなものかを
教えてくれたっていうことは、確かな気がします。
男は女でもって成長するもんだって、あの文芸評論家の
小林秀雄も言ってますよね。おれも美樹ちゃんとの恋愛で、
かなり成長したんだって、実感しています。まあ、結果的には、
フラれたわけですけどね。あっはっは」

「なるほど・・・・。恋愛って、楽しかったり、(つら)かったりの、
一種の修行(しゅぎょう)のようなところがあるよね。あっはっは。
おれはね、しんちゃん。お互いが、本当に好きならば、
恋愛することは、基本的に自由だと思っているんだけどね。
だから、おれみたいな、いわゆる恋愛至上主義の考えの男は、
独身でいたほうがいいって思っているのさ」

「それはそれで、いいんじゃないですか。竜さんはモテるんだし」

「いやいや、しんちゃんほど、おれはモテないよ」

 ふたりは声を出してわらった。

「・・・・恋愛って、竜さん、基本的に、1対1、じゃないですか。
相手がNO(ノー)といえば、そこまでですもんね。誰かを傷つけてまで、
するもんじゃないでしょう。ストーカーとか、人間として最低ですよね。
でも、そこが、むずかしいところですよね。竜さんの考え方もよくわかるんですよ。
竜さんと同じように、おれも恋愛至上主義かもしれないんですよ。
1度誰かを好きになったという事実は、消し去ることはできませんからね。
過去に好きになったヒトのことを、あえて、打ち消すこともないと思います。
かといって、現実的には、何人もの女性と付き合うことは不可能なだけですよね」

「何が大事かって、恋愛に耽っているばかりじゃダメなのは当たり前だよね。
やっぱり、おれたち男には、仕事や趣味が1番なのかな?しんちゃん!」

「そんなとこじゃないですか。竜さん!欲望を恋愛以外に向けるとかですかね!」

 ふたりは、
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