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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross world〜
cross world:交際
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ルナ、お前だって笑ってるぞ」

珍しく自分が劣勢だからだろうか。どことなく不貞腐れた表情と口調で、そう言葉を放つソレイユ。

その態度がなぜか無性に笑えてきて、ルナは必死に吊り上がりそうになる口の端を押し殺し、「ん〜っ」と伸びをして勢いよく席を立つ。

「んじゃ、行こっか」

「うん?」

訝しげに眉を寄せる黒衣の少年の顔に自らのそれを寄せ。

「デ・エ・ト♪」

「…………はいはい」

少年がやれやれ仕方ないなといった感じで返事をしながら立ち上がると、少女は嬉しそうに彼の腕に己の腕を絡ませた。

そして二人は、春の日差しの中へと躍り出ていった。










「………ン!……レン!」

「………………んにゃ?」

ゆさゆさと揺さぶられ、《冥王》と呼ばれた少年は間抜けな声とともに意識を覚醒させた。

ほのぼの、という擬音語がこれほど似合うこともないであろう、四月の暖かな日光がオープンテラスの張り出した屋根の外側から降り注いでいた。

木々のざわめき。

小鳥達の調べ。

そして――――

央都アルン以外では、ここイグドラシルシティくらいでしかお目に――――もとい、お耳にかかれない妖精九種族達が織り成す猥雑で粗野で、しかし心地いい賑やかさが鼓膜を刺激する。

「ここ……は………」

軽く周囲を見回す少年の肩を掴む手の主が、限界まで顔を近づけて叫んだ。

「レン!大丈夫ですか!?ど、どこかお怪我は……!!」

「か、カグラ!?う、うん、大丈夫!だいじょーぶだから!!」

このままだと身包み剥がされてこの場でチェックしかねない勢いを感じたため、ほとんど悲鳴のようにレンは声を上げる。

しかしカグラは全く聞く耳を持たず。

「強がりを言ってはダメです!さぁどこが痛いんですか!?」

「え、ちょ、大丈夫って言ったでしょ今!?やめてそこはダメそこだけはお願いしま――――」

「いい加減にするんだよ、カグラ」

少年のシャツをまくり上げようとしていた変態巫女の頭をむんずと掴む小さな手。

それだけでカグラの頭は冴え渡る。

「マイ………」

「お帰り、レン」

その真っ白な笑みを見て、ようやく少年に実感が湧く。

―――帰って……こられたんだ。

はは、ははは、と。

しゃっくりのように、ノドが痙攣する。

笑い声が響く。

道行く妖精達が、あまりの大笑いにこちらを訝しげに見てくるが、それすらも視界に、思考のうちに入らない。

少年は、レンは、腹の底から大爆笑した。

その笑いを、穏やかな笑みで見守る二人の女性陣。

「………本当に、良かったですね。マイ」

「……うん」

金と銀。

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