３３章 新井幸平の誕生パ−ティー （３）
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３３章 新井幸平の誕生パ−ティー （３）
「マクリーンは、こんなふうに、脳を３つに分けて、三位一体（さん みいったい）脳論を展開したわけです。この説は、脳の三層構造ともいわれています。まあ、この説は１９７３年ころのもので、現代の最新脳科学から見れば、正確性はありません。しかし、脳の構造と進化の大まかな理解や認識を得るのには便利な仮説ですよね。以上が、マクリーンさんの三位一体（さん みいったい）脳論でした。はははっ」
「良さん、このマクリーンさんも、脳幹と大脳辺縁系の、古い皮質といういのかしら、いま包まれている握りこぶしの部分を、暴れ馬に例えているということなのかしら？」と美咲は楽しそうな笑顔でいう。
「そうです、美咲さん。暴れ馬でもいいですが、それじゃあ、お馬さんがかわいそうなので、若くて力強い精悍なお馬さんとでもいっておきましょう」
「良さんは、ほんとうに優しくて紳士なんだから！」と美樹はいった。
テーブルの６人、みんなで大笑いをした。
「そういえば、良さん、きょうは白石愛美さんがご一緒でないのがさびしいですわ」と、ほろ酔い気分で、つい、美咲はいってしまった。
「愛美さんは、きょうは、たまたま、テレビのお仕事が重なってしまったんですよ。ぼくも残念なんですけどね。あっはは」
「良さんの心中をお察し申し上げます。ほんと、良さんって、お優しくて紳士で、知性もあふれていらして、すばらしいんですもの！」と美咲は、赤ワインに酔った、ほろ酔い気分でそういう。
「あの・・・、おれは、マクリーンの話の続きが気になるんですけど。マクリーンは、新しい皮質の大脳新皮質でしたっけ、それを馬に乗る騎手に例えているんですよね。ということは、フロイトの説の、イドを暴れる馬に例えて、エゴを馬を調教する 騎手に例える説に、共通するといいますか、ほとんど同じことをいっているようですよね」
そういう陽斗に、良はわらいながら、「そうですよね」と答える。
「ぼくは思うんですけど、マクリーンの説でいえば、脳の古い皮質と新しい皮質ですが・・・。フロイトの説でいえば、周りの社会との調和をめざそうという、現実的に動くエゴと、本能の赴くままに動こうとするイドですよね。そんな精悍な馬のイドと、その馬をなだめながら乗っている騎手のエゴという、そんな２極的な関係なんでしょうけど。世の中におかしな事件が多いのも、この２極が、どうも上手に、バランスよく、コントロールできていないからじゃないのかなんて、思うんですよ」
陽斗は、森川良にそんな話をした。
「ぼくも、陽斗さんと同じような
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