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FAIRYTAIL転生伝 〜 黒き魔王は妖精と共に 〜
第三話『俺の仲間たちと脱走失敗』
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エルザはその俺の声に反応して俺の名前をつぶやく。

俺はエルザを励ますために言葉を続けた。


「大丈夫だ。怖くなんかねえから。俺たちはこれから『自由』を手に入れるんだから。なあジェラール!」
「ああそのとおりだ」


ジェラールは俺のその言葉に笑顔で相づちをうつ。


俺はエルザへと手を差し伸べる。初めて出会ったあのときのように・・・。


「行こうぜエルザ。俺たちの未来と理想(ゆめ)がもう目の前で待っている」


エルザは俺の言葉に一瞬呆けたような表情を浮かべたが、一転して、満開の花びらのような華やかな笑みを浮かべた。


「うん!」


そしてエルザは俺の手を再びとった。一年前のあのときと同じように。


「さあ、行くぞ!」


そして俺たちが自由への一歩を踏み出そうとした…そのとき!







「おいおい。そんなに急いでどこにいくんだよ」

「「「「「「!?」」」」」」


突然聞こえてきたそんな楽しげな声に先ほどまでのどこか暖かい雰囲気はどこえやら。俺たちは一瞬で凍りついた。


なぜならそれは、ここでは絶対に聞きたくない声だったからだ。

「駄目じゃないかお前たち。奴隷の分際で仕事をさぼってこんなところで油売ってちゃー」


その男の声は明るく振る舞っているが、どこか粘着質な底なしの悪意を感じられた。


恐る恐るゆっくりと後ろを振り向くと、そこにいたのは、








十人以上の神官服を着た男たちだった。




「みーつッけたー♪」


その神官たちが浮かべた笑みは、どこまでも悪意に満ち溢れた、俺の知る中でこの世の中で、最も醜い笑みだった。








こうして俺たちの秘密の脱走計画は失敗に終わることとなった。
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