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SAO編−白百合の刃−
SAO18-想いによる疾走
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「あの日から、私は何があっても生き続けることを誓った。死んだサチのためでもあるけど……私自身のために、あの日の後悔と罪と想いを失くさないように、抱えて生きるわ。」

 口ではいくらでも言えるけど、どれだけ生きたいと願っても、思っていても、いつかは終わりを迎える。唐突に終わりを迎えることだってある。誰かのせいで、終わることだってある。
 そんなに人生はラストにハッピーエンドを迎えるほど都合良くドラマは出来ていない。
 でも、死ぬ時は今ではない。 私にはやるべきことがたくさんあるのだから、簡単に死ぬわけにはいかない。
 死にたくない。
 生きて痛い。
 もう、消えたいと言う想いに浸るのはやめた。
 私の過去は、これで終わった。隣で黙って聞いていたアスナは、恐る恐る口にした。

「その後……キリカちゃんは……? キリト君はどうなったの?」

「私はすぐに兄に謝りに行って仲直りしたよ。兄も、いろいろと合ったみたいだったけど、私と同じように自暴自棄になって死ぬことはやめた。もちろん理由をつけて死のうなんて思ってもいないよ。」

 そう、サチの願いによって私達は命を救われた。でも、それでも癒えることはできなかった。

「救われた後は迷惑かけた人に謝りに行って、とりあえずしばらくは休憩をとったよ……」

 サチに救われた、死ぬことを望まなくなったことを思い出す。クラインから馬鹿野郎ってボロボロ泣いて許してくれたっけな。迷惑かけた人達に謝っても許さない人はいたけども、時が経つにつれて許してもらえるようになった。失われた信頼を取り戻すのに、ちょっと辛いことはあったけど、それでも前を向いて歩けるようになった、私のことを信頼してくれる人もいてくれた。
 改心してからの日々で一番印象残ったのは……。

「しばらく休憩していたらさ、『サボってないで攻略しなさい!』って言う人がいてさ、それ言われた時はちょっと腹が立ったな〜。いや、事情を知らないことはわかってもムカついたからさ、隙をついて逃げてやったよ」
「そんな人いたんだ……」
「うん。そう言えば、その人も血聖騎士団のかっこうしていたな……あの頃の私が、将来、血聖騎士団に入るなんて思わなかったな〜……」

 過去を振り返って、思わず笑ってしまう。
 
「あれ、アスナ?」

 どうしたんだろう。なんで若干顔が引き吊っているんだ? 心なしか目が泳いでいるような気がする。

「キ、キリカちゃん」
「う、うん」
「ごめん。その人……わたし」
「……あー……そう」

 言われてみれば……しばらくは血聖騎士団の一人となにかと口論し合っていたな……。そうだ、あれアスナだ。相手女だったし、なによりも仕切ったり指示をしていたりしていたから、血聖騎士団のアスナで間違いないわね。


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