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高校生エレクトローター
二十話 S(ランク)
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きは仕方ないものだった。


『ねぇ、あのAクラスの子いったい何者?』



『さあ?美咲って言ってたよね…』



これは女子二人の会話の様だ。


『Sランクとか… 聞いたことないし…』




『どんな能力なんだろ?』



他にも疑問の声がたくさんの上がっている。



『なんか顔もまあまあだし、頭良さそうだし、話しかけてみればー?』


肩を大きく叩きながら笑った。


『えーー? やだよ、なんか怖くない? 性格悪そうだし。』



『まあ確かに、話しかけずらいっていうか?』




ルームはこんな持ち話がひそひそと立ち回っていた。



・・・・



保険室。1階の職員室の隣にあるルームだ。




広翔と海波が保険室のドアを開けようとすると、


《失礼しました。》


その声が聞こえるとドアがガラッと開き、大きい体の男が出てきて鉢合わせになってしまった。


ドアの前で肩と肩が軽くぶつかった。

『あっ、すみません。』


っていうか貝木だった。

先輩だと思ったのか、さっきと違って謙虚な口調だった。


・・・

広翔は下を向いた貝木の顔を確認した。


「久しぶり。貝木。」

先に声を掛けたのは広翔の方だった。



・・・・・


『っえ? あれっ? えっ? 広翔? それに桐生じゃん。』

変な間と、びっくりした顔は思わず笑ってしまいそうだった。
やはり、入学時はわかってなかったようだ。


「覚えてるか? 本当に久しぶりかもな。」

広翔は笑った。
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