第三十四話
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よもや立て篭もるとは……貴様の武も落ちぶれたものだなッ!!」
「華雄ッ!! 貴様が負けた孫堅の娘を見て倒したいと思わないのかッ!!」
関羽と雪蓮が次々と桜花の悪口を言っていく。
「……よう、アイツらも沢山悪口が浮かぶな……」
俺は欠伸をしながら罵倒している二人を見る。
「てか桜花は大丈夫なの? あれだけ言われといて……」
「霞には最悪、縄で結んで放置しとけと言ってはあるけどな」
ロッタの言葉に俺は答える。
「な、長門ッ!! シ水関の城門が開いているぞッ!!」
その時、クロエが叫んだ。
『な、何ィィィーーーッ!!!』
シ水関の城門がゆっくりと開いて、桜花は馬に乗っていた。
「おぉのれ関羽ゥッ!! 貴様、長門の事を侮辱した事を後悔させてやるゥーーーッ!!」
「……俺、いつの間にか侮辱されてたのか?」
「はい。「シ水関を守る将を束ねる王双は華雄に一騎打ちをさせない腰抜けかッ!!」と関羽が言ってましたよ」
雪風が言う。
「……はぁ。桜花を連れて来るわ」
俺は出撃しようとしていた桜花隊に走っていく。
「桜花ッ!!」
「おぉ長門。お前を侮辱した関羽は必ず私が討ち取ってみせるぞッ!!」
桜花が意気込んでいる。
「馬鹿野郎ッ!!! 俺達の使命を忘れたのかッ!!」
俺は意気込んでいる桜花を怒る。
「な、長門?」
「それに、陣地の先は俺達が作った落とし穴があるんだぞ。どうやってあの二人に向かうんだよ」
「あ…………」
………『まさに失念していた』という表情だった。
「………はぁ。とにかく、出撃は中止だからな」
「……分かった」
桜花は凄く悔しそうな表情をしている。
………まぁ。
「……桜花。俺のために怒ってくれてありがとうな」
「……ば、馬鹿者……」
桜花が顔を赤くする。
「……華雄隊長もとうとう春が来たんだな……」
「おめでとうございます華雄隊長ッ!!」
……何か桜花の隊員は感動してるけどまぁいいや。
「今更戻れとは言わんけど……俺のところで抑えとくか。悪いけど霞に伝言を頼む。「桜花はこちらで抑えるから気にするな」てな」
「分かりました」
伝令は頷いて、シ水関に入った。
……てか初めからそうしておけばよかったな。
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