暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
魔神
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初めてギルドの為に何か出来るかもしれない可能性があるのなら。

(ただ立ち上がるだけでいい。あとは……あの魔法を、信じる)









「!」

キャトルが目を見開いた。
息を呑む音が聞こえたのか、ジェメリィが振り返る。

「どうしたの?キャトル」
「……この空間のエーテルナノが急速に減っている…引き寄せられてる?一方に……」

呟き、気づく。
首を傾げジェメリィもキャトルが見る先に目を向け―――――目を、見開いた。
そこに、倒れるアランの姿はない。

「……」

――――――アランは、立っていた。
小さく俯いて、2人の方を見ようともしていない。
僅かに開いた口が、何かを()()()()()()()

「……まさか!」

ジェメリィが叫んだ。
同郷であり、かつての彼を知るからこそ気づける。
慌ててキャトルに回避するよう呼びかけようと振り返るが―――――遅い。
既にアランは、頬を大きく膨らませていた。
そして―――――放つ。









「魔神の―――――――怒号ォォオオオ!」









放たれたのは、黒い光の怒号。
それは2人を呑み込み、塔の窓を割る。
光が消えた時、キャトルとジェメリィは傷を負い立っていた。
が、その表情には驚きが宿っている。

「ウソでしょ……何で…」

ジェメリィが呟いた。
キャトルがゴクリと唾を呑み込む。

「これが…奴の隠して来た魔法……“魔の滅神魔法”…」

灰色の前髪の間から、桃色の目が覗く。
ふぅ、と息を吐いたアランの口元には笑みが浮かび、こちらを真っ直ぐに見ていた。
その目を真っ直ぐに見つめ、キャトルは右手を握りしめる。

(これが神殺し……これが……)












――――――――魔の滅神魔導士(ゴットスレイヤー)
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