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雲は遠くて
16章 地上200mの誕生パーティー (4)
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「また、女の子の話ですか?森ちゃんは。あっはっは」といって、岡がわらった。

「森ちゃんは、まさに、現代のプレイボーイを、実践している男ですなんでよ、
みなさん」と岡昇。

「どんなふうに?」と、興味津々(きょうみしんしん)に聞くのは、岡村明だ。

「ぼくの観察(かんさつ)している(かぎ)りでは、森ちゃんは、
自分から、愛を告白するとか、()れるとかは、
一切(いっさい)しないというか、
そういう感情の、1歩手前で、意識的に、恋愛感情に、ブレーキを、
かけちゃっているんですよ。
ねえ、森ちゃん」と岡昇(おかのぼる)が、森隼人(もりはやと)に、
親しみをこめた、()みでいった。

「岡ちゃんも、よく、おれを観察してるね。ほとんど、そのとおりだよね。
おれって、女の子に対する独占欲は、
人一倍強いと思うのですが、
それと、
矛盾(むじゅん)してますが、女の子には、拘束(こうそく)というか、
自由を、
(うば)われたくないんですよ。ですから、いまも、
好きな女の子はいるんですけど、
ぼくの孤独の領域とでもいいますか、あまり、深入りしないで、くれていて、
それでも、OK!っていう、
いいわよ!っていってくれる、心の(ひろ)いような女の子としか、
長続きしないんですよ」と、森隼人は、どこか、照れながら、
みんなの顔を(うかが)うようにして、口ごもりながら、話した。

≪つづく≫ 
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