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魔法科高校の有能な劣等生
迷う零

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解らない。
自分が解らない。
先程までは解っていた自分の事が今は全く解らない。
その解らない原因さえも今の俺では解らない。
自分が何者なのか?
何故、知らない筈の物を知っていて知っている物が知らない物と入れ替わったのか?

「零、大丈夫か?」

声が聞こえた。
知っている声の筈なのに知らない気がする声は俺の名を呼び俺の体を揺らす。
これは夢なのだろうか?
また、夢を見ているのだろうか?
知らない見た事も無い景色が頭に浮かび消えていく。

「零?」

また、俺を呼んでいる。
俺はその呼び掛けに答える事が出来ない。
体を動かそうにも動かない。
声を出そうにも口が動かない声が出ない。

「零さん?
起きて下さい」

今度は女の子の声だった。
その声も知っている気がするが知らない気がする。
でも、何故か懐かしく感じる。
俺は解らない。
俺は何なんだ?
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