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『【IS】例えばこんな生活は。』への感想

投稿者:efh
[2015年 09月 02日 03時 28分]

▼悪い点
>次のジェーン編で最後になりますが、どうか寛大なお心でお付き合いください。

千冬に未来は無いと申すか!w
え? 山田先生? あの人は婚活すれば男がほっとかないだろうw

▼一言
あ、箒さんおめでとうございます。鈴ちゃんナイスアシスト!

でもごめんなさい。前話のゼゼーナンが頭にこびり付いていて……。
そうだ、あの時のスパイにもゼゼーナンの事を教えてあげよう(提案


▼返信
投稿者: 海戦型
[2015年 09月 02日 (日) 13時 32分 59秒]

え、千冬もゴエモンが貰うの!?確かに若干絡みはありましたけど……ああ、でも他に貰ってくれそうな人いないのかぁ……。

ゼゼーナンの話はいろいろと展開を考えた結果世界観を極力崩さないようにアレになったんですが……やっぱりちょっと衝撃的すぎましたかね?楯無のキスで人間に戻るとかも考えなかったわけじゃないんですが。


 = =


「ゴエモン……私を嫁に貰ってくれないか」
「先生、飲み過ぎです」
 
 俺は20歳になった。先生は今年で29だ。だから居酒屋で酒も飲める。
 が、酒の場とはいえ先生がいきなりそんなことを言い始めれば俺だって流石にスルーしたくなる。

「何故だ……同僚たちが次々に男を捕まえ、真耶だって恋愛に奥手だった癖にいざ旦那が出来るとノロケ三昧。なのに何故私にはいい貰い手がいないのだ……これも全部束が悪い。束と同類のお前が責任を取れ。おのれ、クレアが男ならばぁ……ひっく」
「うわぁ、本格的に出来上がっちゃってる……」
『………(哀)』

 クレアちゃんも憐れむこの落ちぶれよう。なお、クレアちゃんは必要な時以外人型化しない。人型化する必要というのは大抵先生が酔い潰れた時だが。
 ぶっちゃけ先生の旦那探しは前から難航している。というのも、知名度が高すぎて政略結婚や一方的すぎる好意が多くてなかなかいい人が見つからないそうだ。千冬自身、恋愛経験が皆無なために「この人だ!」とくる男を見つけかね、気が付けばアラサーという訳だ。

「ゴエモン!私はこれでも20代前半にも劣らないくらい若いよな!?」
「アッハイ。俺の学生時代と比べるとむしろ色っぽさが増したような気さえしますね」
「だろう!一夏もいつも何故私が結婚できないのか不思議でしょうがないと常日頃から言っている!」
(そのおりむーも問題なんじゃ……学校を卒業してからは完全にベッタリで一夏が旦那みたいなものだしなぁ)

 ブラコンとシスコンが交わり磐石に見える織斑家。結婚すると弟が姑みたいにひょこひょこ付いてきて家事までするとなると、気まずいことこの上ないだろう。愛ゆえに、先生は苦しねばならんのだ。
 かといってまさかおりむーが先生を貰うわけにもいくまい。法律的にも道徳的にも。

「ひっく……同期は次々に結婚する!ISまでもが結婚する!最近は円(まどか)の奴まで一丁前に色気づいて鼻歌を歌いながらデートの予定を立てている!!どいつもこいつも幸せになりおって………今まで結婚は人生の墓場などと思っていたが、正直羨ましくてしょうがないんだ!!お前の所為だぞゴエモン!!」
「な、なんで俺?」
「お前と結婚したオウカが!ジェーンが!箒が!お前の家の子供たちや家族が全員そろって幸せそうにしてるのがどうしようもなく羨ましいんだよっ!!」
「おおおおちおちつおちついててててて!?」

 キッ!と睨みつけてきた先生がガクガク体を揺さぶる。基本的に先生が飲むのに付き合う時は独りで来るため割って入る人がいない。まって、やめて、酔う……酔っちゃう……!出ちゃうから!!

「今更3人が4人に変わっても大差ないだろう!?私も……私も幸せにしろ!!……お前なら分かるだろう。お前が家族を背負っていたように、ずっと一夏を背負って生きてきたんだ。一夏が一人前になった今……私も私の幸せが欲しいんだ」

 どんどん勢いの消える声は、最後には少女のようにか細かった。そのまま力なくゴエモンにもたれかかった千冬は、静かに涙を流す。「お前なら分かるだろう」、か……。正直に言えば、分かるかもしれない。ジェーンに秘密を知られたときも、オウカに告白しきった時も、俺は心のどこかで「もう楽になっていいのかな、幸せになっていいのかな」って自分に許しを乞うてきた。
 先生は、誰にも弱みを出そうとしない。本当の意味で自分の本音をさらけ出して許しを乞える相手も今はいない。おりむーや束さんには、先生は甘えはしても縋れないのだ。

 ああ、駄目だ。箒ちゃんの時もこうだったし、誰の時もそうだったけど……先生にもやっぱり笑っていて欲しいよ。本当の意味で先生を許してあげたい。いや――

「千冬さん」
「ごえもぉん……」
「IS委員会に頼み込んで、四人目の花嫁を受け入れる許可を貰いに行きましょう。二人でちょっとワガママになっても、皆許してくれるはずです」
「お前らの家族は……それでもいいのか?」
「俺に甘えて良い順番はジェーンが決めてるんです。次に家族が増えた時にも揉めないようにってね?」

 千冬さんは潤んだ瞳で俺の顔を見上げ、静かに俺の顔を自分の顔に引き寄せた。

 29年分の我慢と純潔が籠った口づけは、どの花嫁のキスより情熱的だった。
 

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