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『銀河英雄伝説〜悪夢編』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2013年 12月 15日 15時 17分]

▼良い点
 権力者、為政者として生きることを選んだ人間ヴァレンシュタインにさらに負荷を与えるドラマチックな展開かつ、展開の背後やそれへの対処が帝国・同盟・フェザーンの戦略状況に帝国というアクターの第一の権力者として生きているヴァレンシュタインと必然的に繋がっていて
ドラマチックな展開が物語全体と上手く繋ぎあわされていて面白かったこと。

▼悪い点
 悪いというより好みの問題ですが売春宿に叩きこむというエルフリーデへの処置がえぐくてゲスいこと。
 エルフリーデが死を願った結果については帝国の主が行うこととして何百億もの民も益する結果を出す可能性があるので、それにそもそもエルフリーデ自身が貴族として政治を考えなければならない立場でもあるし政治のコマとして動かされた敗北の結果こうもなったということで文句ないですし
売春宿に叩きこむ手法にしてもゲスい手法なりのエルフリーデへの追い込みと公開することでの演出効果もあるんでしょうが。
それに銀英伝だからそういうこともあり得そうなファンタジックな感じもありますが。
やはり売春宿に叩きこむというのはゲスいとは思います。
 ヴァレンシュタインがヒルダやヴァレリーを前に心中思っていたよう今度はお前達が狙われるかもしれないんだぞという恐れも理解できますが
作中人物にしたって全員がかついつもそう見てるというわけじゃないですけど、作中人物達と違って権力者としてヴァレンタインというのが地の文を読める読者の自分に見える全てではないので売春宿に叩きこむ手法についてはなんとかならんかったのかいというか。
解り易く激情の結果だったならばそれだけヴァレンシュタインが怒っているのだろうと取れるのですが、そうだったとしても作中のヴァレンシュタインはなんとか人間ヴァレンシュタインの怒りを上手く、非常に上手く権力者としての自分に合うよう制御しているので恐れられるような非情であってもゲスくはない他の手段はなかったのかいというか。
 性の関る事ですし、エルフリーデが原作でロイエンタールの相手でフェリックスの母親だからかもしれませんが。

▼一言
 転生者といえど両親も我知らず愛していた人も共に金や権力の関る事で非命に倒れたヴァレンシュタインは可哀想だと思いました。
 エルフリーデへの扱いと捉えずアンネローゼの死への扱いとしてとらえると、アンネローゼの死については自覚的にマキャベリ的に利用できる冷徹さと行動力は帝国の主としては正しいけれど自分で選んで常人として生きないストイックさは、ラインハルトへ言い訳しまいと考えるストイックさと合わせて重荷を背負ってしんどいなぁとも。



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