「冥王来訪」の感想


 
良い点
家族制を壊したらどうなるか生生しくてわかりやすかった。
 
コメント
マサキさま最強 
作者からの返信
作者からの返信
 
ご感想有難う御座います。

>家族制度
ソ連政権は1918年の政権奪取後、伝統的な家族制度の否定に走ります。
フランス革命でジャコバン派が成し得なかったような道徳律の崩壊も進んで実施し、性風紀は糜爛(びらん)しました。
1930年代には内戦での孤児ばかりではなく両親に捨てられたり、今でいうシングルマザーの子供が街に繰り出し、潰れたハンチングを被り、革の上着を着て、猥褻な歌を歌いながら、集団でタバコを吹かして練り歩いていました。
 彼等は乗り合いバスや列車の中で、人々を恐喝し、或いは商店を襲撃して商品の略奪を繰り返しました。
殺人や婦女への暴行も日常でしたが、警察も内務人民委員部も対策は不十分でした。
 一応事態を重く見たソ連指導部は1936年以降、母性保護の政策を打ち出します。
レーニン時代と一変し、家庭生活の重視、両親の尊重、堕胎の禁止を実施。
戦時になると戦死した遺族の保護を始めますが、総数が多かったせいか、不十分でした。
 KGB工作員、パーベル・スダプラートフの回顧録にも載ってますが、戦後の時期までモスクワ市内でも愚連隊が暴れて居り、外交官の一家に不用意な外出を避ける様に伝えたとの記述が御座います。

 最終的に落ち着くのはソ連が経済的に豊かになった1960年から1970年代後半にかけての頃で、それまでは悲惨な状況でした。
 
 今回の話は、マブラヴ原作のメカ本のソ連の設定を参照に組み立てました。
「TE」ではラトロワ中佐は生後間もない長男を軍に取り上げられてしまいますが、その気持ちは如何ばかり出会ったか……
 彼女が、敵国米国の青年将校であったユウヤに生死不明の息子の姿を重ねる描写が御座います。
20そこそこで悲劇的な運命にあっても耐える様を想起すると、もの悲しい気持ちにはなります。