「IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」の感想

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良い点
【第二十二話 崩壊への序曲】
>帝国暦 488年  10月 31日
>「そのうち逃亡者が出るかもしれない。」
>帝国暦 488年  11月 20日
>「暴動が起きるかもしれないよ、アントン」
>「ローエングラム侯を見限る人間も出て来るだろうな」
>宇宙暦 797年  12月 20日
>「今度は暴動とは……、ローエングラム侯の旗色はかなり悪い」
>「というより現状では負けかけている、そんなところではないかな。」

タイトルに偽りあり!(笑)
ローエングラム候は、「序曲」じゃなくて、立派に「崩壊」しています。
ドミノ倒しで3週間単位で事態は悪化し、政府も崩壊して、軍も実戦部隊(実質 候の私兵)だけが指揮系統を保っている状態です。
軍も軍政、軍令は指揮系統が崩壊してしまったようです。
行政機関も機能停止しているようですから、暴動はどうやって鎮圧したんでしょう。
軍を動かして鎮圧したのでしょうから、兵や将官たちは、忽ち心折れるでしょう。
さらに、兵站のみならず物流を絶たれた状態では、平民のみならず、貴族を含む富裕層も困窮していることでしょうから、元々、単なる実戦部隊の長でしかない候に、支配の正当性を担保する根拠は無いのでは(所謂)政府(=ローエングラム候一派)は、オーディン周辺を占拠する賊の一団と言われても反論できないでしょう。
ギュンターたち憲兵など軍政の指揮系統や、軍令の下にある情報部、さらには行政府の配下にある警察や社会秩序維持局などの「正当な」暴力機関がどうなっているのでしょう。
さらに、非正規暴力機関でもある「皇帝の左手」はどうなっているのでしょう。
まさか、ギュンターが統括代行とか・・・・・
不安な日々を過ごす平民、富裕層(残留貴族)、官僚、実働部隊以外の軍人などの目を通したオーディンの様子に興味が湧きます。
 
コメント
【第二十二話 崩壊への序曲】
ちょび髭の独裁者は、愛する妻と信頼する部下と忠実なペットと共に死へ旅立てた。
ドーチェは、慈しんだ市民に吊るされたが、それでも愛する人と一緒だった。
しかし、金髪は愛する家族(姉)も、信頼できる友もなく たった一人で破滅の淵に立つ。
悲劇を通り越して喜劇ですらある。